2022年7月にグランドオープンした石川県立図書館は、今や「本を読むためだけの場所」ではなく、建築そのものが目的地になる図書館として全国から注目を集めています。
「なんて美しい図書館なんだ」
「まるでアートミュージアム」
「図書館の常識を覆された」
そんな声が多く聞かれる理由のひとつが、その圧倒的な建築美と空間設計にあります。
この記事では、石川県立図書館の建築を手がけた建築家・仙田満(せんだみつる)氏と、株式会社環境デザイン研究所の思想・こだわりを、じっくり深掘りしてご紹介します。

建物の外観と入ったときの天井、建物の構造に圧倒されました!

石川県立図書館は建築を見に行くだけでも価値があるのね!
石川県立図書館とは?建築的価値も高い「文化の新拠点」

- 所在地:石川県金沢市小立野2丁目43番1号
- 竣工年:2022年
- 設計者:株式会社環境デザイン研究所(仙田満氏 率いる)
- 延床面積:約19,300㎡(県内最大級)
- 構造:鉄骨造(一部鉄筋コンクリート造) 地上3階建て
- 建築の特徴:外観は「本棚の背表紙」をモチーフにデザイン
この建築は、図書館としての機能性はもちろん、「開かれた公共空間」としての可能性を追求した構造となっています。
圧倒される外観デザイン|本棚のような外壁が象徴的

外観は、遠くから見ると巨大な「本棚」を思わせる造形。木製ルーバーとガラスを組み合わせた縦のラインが、まるで本の背表紙が並ぶ巨大な棚のように見えます。
このデザインには、
「思いもよらない本との出会いや体験によって、自分の人生の1ページをめくることができる場所」
出典:https://www.totalmedia.co.jp/info/interview-0004-ishikawaken-library/
という思想が込められています。
建物自体が「知の集合体」としての図書館を象徴しているのです。

確かにあの空間なら思ってもないような本に出合えそうな気がする。
館内の天井・空間構成|木の温もりと光の設計

建物の内部に入ると、まず驚かされるのが吹き抜けの大空間と、それを支える木の梁(はり)構造です。
- 自然光が降り注ぐように設計されたトップライト
- 木の天井と梁がつくる、あたたかく包まれるような空間
- 本棚と一体化した構造で、動線が自然に生まれる設計
建築とインテリア、構造体が一体となり、「ただ居るだけで気持ちいい空間」が成立しています。

石川県立図書館にいるだけで自分が誇りに思えるようなそんな建物今まで入ったことないです。
建築コンセプト|“学びの森”を形にした空間構成
仙田満氏は、この建物を「知の森」と表現しています。
- 本棚は森の「木々」
- 展示エリアや階段は「遊歩道」
- 吹き抜け空間は「空」
館内を歩くこと自体が、まるで森林浴のような体験になるように設計されているのです。
利用者は自然に本へ、知へと導かれ、流れるような時間を過ごすことができます。
めぐる、めくる、めくるめく 石川県立図書館の新世界
「遊環構造」の建築家・仙田満が手がけてきた公共建築の集大成と目される石川県立図書館。2022年7月のオープン以来、全国から来訪者を集める同館の秘密を、豊富な写真、図版や、建築計画・設計・デザイン・運営に携わった関係者のコメントによって解きほぐし、未来の“図書館文化”を展望する。
設計者:仙田満氏とは?
仙田満(せんだ みつる)氏は、日本を代表する建築家・都市計画家であり、特に「子ども環境学」「公共建築」「市民参加型の空間づくり」において世界的に知られる存在です。
- 1941年 宮城県生まれ
- 東京大学工学部建築学科卒業
- 東京大学名誉教授
- 「プレイパーク」や「子ども科学館」など数多く設計
- 環境建築、ユニバーサルデザイン、景観デザインの第一人者
仙田満氏+環境デザイン研究所による代表建築
| 建物名 | 所在地 | 竣工年 | 用途 | 特徴・キーワード |
|---|---|---|---|---|
| 石川県立図書館(新) | 石川県金沢市 | 2022年 | 図書館 | 本棚を模した外観、知の森を体現する空間構成 |
| 軽井沢風越学園 | 長野県軽井沢町 | 2020年 | 学校 | 学びと遊びが融合するオープンスクール空間 |
| 国際教養大学図書館 | 秋田県秋田市 | 2018年 | 図書館 | 円形・全周書架で知識を囲む象徴的構造 |
| MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島 | 広島県広島市 | 2009年 | 野球場 | 開放的構造+ユニバーサルデザインを導入 |
| 町田市鶴川駅前公共施設 | 東京都町田市 | 2008年 | 公共施設 | 市民と行政をつなぐ複合交流スペース |
| 慶應義塾大学協生館 | 神奈川県横浜市 | 2008年 | 大学施設 | 学びと研究、地域を結ぶ複合拠点 |
| 東京工業大学すずかけホール | 神奈川県横浜市 | 2007年 | 大学講堂 | コミュニケーションを誘発する開放構造 |
| 多摩六都科学館 | 東京都西東京市 | 2006年 | 科学館 | 体験・実験を重視した市民科学の拠点 |
| 東京辰巳国際水泳場 | 東京都江東区 | 2001年 | 競技施設 | 国際規格対応+観客視点のデザイン |
| 横浜市入船公園 | 神奈川県横浜市 | 2000年 | 公園施設 | 自然とのふれあい・遊具と緑の融合空間 |

国際教養大学図書館も石川県立図書館と同じような手法を感じるわ!
主な受賞歴
- 日本建築学会賞
- グッドデザイン賞(多数)
- 公共建築賞など
仙田満の設計哲学は、「人が主体となる空間づくり」。
石川県立図書館においても、「誰もが自由に過ごせる共用空間」という思想が貫かれています。

軽井沢風越学園も素敵なのよね!
環境デザイン研究所とは?
正式名称:株式会社 環境デザイン研究所(Environmental Design Institute)
- 設立:1971年
- 所在地:東京都文京区
- 代表:仙田満 氏
- 主な実績:
- 仙台市科学館
- 北九州市立子どもの館
- 千代田区立図書館(千代田区役所内)
- 山梨県立図書館 など
同研究所の特徴は、「建築+都市+人間+環境」を一体化したデザインにあります。
単なる“建物”ではなく、人の動き・まちとの関係・学びの流れまでを視野に入れて設計する点が高く評価されています。

千代田区立図書館も素敵な館内なんですよねぇ。
なぜ石川県立図書館の建築は「すごい」のか?
石川県金沢市という古都を思わせる立地に近代と未来が融合した建築物が表れたことが大事件です。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| デザイン性 | 外観・内観ともに“知の象徴”としての美しさを追求 |
| 居心地の良さ | 光と木が調和した空間。長時間滞在でも快適 |
| 機能性 | 読書、学び、展示、子ども空間、カフェまで有機的に配置 |
| 建築の思想 | 「開かれた図書館」=市民と知識がつながる公共建築 |
| 世界的建築家 | 仙田満氏という“巨匠”が設計した文化的価値 |
建築ファンへのおすすめの楽しみ方
- 📸 建物の正面で「本棚ファサード」を撮影
- 📸 吹き抜けの天井と木の梁を下から仰ぐ
- 📸 書棚と建築のつながりを写真に収める
- 📸 階段や回遊型の導線を建築視点で眺める
館内撮影は一部エリアで制限があるため、撮影OKなエリアでマナーを守って行いましょう。

撮影しちゃダメな場所があるのね。

きちんと撮影マナーを守って気持ちの良い利用をしましょう!
まとめ|石川県立図書館は建築そのものが“文化財”
石川県立図書館は、ただ本を読む場所ではなく、建築そのものが知の象徴であり、公共空間としての「あり方」を再定義する建物です。
建築に詳しくなくても、「なんかすごい」と感じる空気がそこにはあります。
そして、建築好きならなおさら、仙田満氏の思想とデザイン哲学に触れる絶好の機会となるでしょう。




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