【図書館情報資源概論】「自由宣言」を軸に学ぶ図書館と知る自由

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図書館は、すべての人に「知る自由」を保障する場です。

その理念を明文化したのが「図書館の自由に関する宣言」であり、図書館情報資源概論ではこの宣言の背景や意義を深く学びます。

本記事では、自由宣言の歴史や改訂の経緯、実際の図書館で起きた事例をもとに、図書館がどのように情報と向き合い、利用者の権利を守ってきたのかをわかりやすく解説します。

しぃしぃ
しぃしぃ

図書館情報資源概論って感じが多すぎて分からないわ

びぶーん
びぶーん

今回は図書館情報資源の歴史的な変遷だけ取り上げますので簡単ですよ!

※ここで紹介している児童サービス論はあくまでも科目の中の一部になります。

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はじめに:図書館の「自由」はなぜ大切か

図書館は単なる本の集合ではなく、国民の「知る自由」を守る社会的制度です。

その理念を明確にしたのが、1954年の日本図書館協会(以下日図協)採択による「図書館の自由に関する宣言(自由宣言)」です。

この記事では、自由宣言成立時の背景、その後の改訂(1979年)を整理するとともに、意識しておきたい現代的意義を解説します。

びぶーん
びぶーん

「図書館の自由に関する宣言」は司書勉強をすると必ず出てきます!


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「自由宣言」とは?―成立背景と目的

「図書館の自由に関する宣言(自由宣言)」は、なぜ生まれてどのように採択されたのでしょうか

戦前・戦中の図書館と思想統制

戦前の日本では、図書館が「国家による思想善導」の役割を担い、特定思想に誘導する手段として機能する場面がありました。

第二次世界大戦後、この反省から思想や資料提供の自由を保障する制度構築が求められたのです。

国家が国民の間から反体制思想を排除し,正統思想を注入しようとする思想統制政策。正統思想が善であるという国家の立場から,国民の思想を〈善導する〉という表現が用いられる。
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について

びぶーん
びぶーん

国家の言うことは正しい!と国民を誘導していたんですね。国民には自由もなく誘導されるまま国家の思想を押し付けられていたのです。

1954年の宣言採択

1954年、日本図書館協会が採択した「自由宣言」は以下の核心を掲げました。

  1. 図書館は資料収集の自由を有する。
  2. 図書館は資料提供の自由を有する。
  3. 図書館はすべての不当な検閲に反対する。
しぃしぃ
しぃしぃ

図書館はどんな資料を収集しても、提供してもいいっていう自由が出来たのね。

びぶーん
びぶーん

検閲に対しても反対することが出来るようになったので国家に対して忖度することなく、資料を収集することを目指したんですね。

検閲(けんえつ)とは、国家などの公権力が、出版物や言論などの表現物を対象に、その内容を審査し、不適当と判断したものを発表禁止などの処分をする行為を指します。

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なぜ1979年に改訂されたのか?

1954年に採択された「自由宣言」によって図書館は資料の収集と提供の自由を手に入れましたが、1970年代になると、図書館の自由に関する以下のような実事件が相次ぎました。

事例①:1967年練馬区立図書館・テレビドラマ事件

1967年東京・練馬区立図書館は、テレビドラマのシナリオの中で図書館員が刑事に利用者の貸出記録を示すという筋に疑問を呈し、その修正を働きかけたことがあります。

東映テレビ・プロダクションによる刑事ドラマ『特別機動捜査隊』の中で、“殺人事件の被害者が図書館で書いた手紙が手掛かりとなり、刑事が図書館で捜査を行う際に、手紙が挟まっていた雑誌と、図書館員から借りた貸出名簿をもとに調べたところ、事件当日午後2時から3時まで被害者が図書館に滞在していたこと、その記録が手掛かりになって犯人を突き止めることができたというドラマが放送された。

テレビドラマ中で、図書館員が警察に貸出記録を提供する場面が描かれ、「利用者の秘密は守られない」と批判を招きました。

これを受け、宣言には「利用者の秘密保護」の条項が強化されました。

しぃしぃ
しぃしぃ

本って何を読んでいるか分かるとその人の考えや思想の一部を覗いちゃう感じあるよね。

びぶーん
びぶーん

1967年当時にはなかった「個人情報の保護」という観点を図書館は大事にしたんだね。プライバシーを侵害しないことを図書館は約束することで利用者の情報への自由を守ったんだ。

事例②:1973年山口県立図書館・資料隠蔽事件

1973年山口県立図書館では、整備担当課長が開架から反戦・左翼出版物、約50冊を抜き取り段ボールに詰めて封印し、書庫に隠ぺいした事件が発覚しました。

資料提供の自由を損なう行為として批判された事件が起きたことにより、ある種の思想を排除し穏健中性な資料だけを収集し提供することで中立性が保障されているかのような誤解を招いていることが判明しました。

1979年には「国民の知る自由を保障する機関として、国民のあらゆる資料要求にこたえなければならない」とし、明確な収集方針を示すこととなりました。

しぃしぃ
しぃしぃ

整備課長!なにしてるの~~!!

事例③:1976年名古屋市立図書館・『ピノキオ』回収事件

1976年名古屋市図書館では、童話「ピノキオ」の内容に、「めくら」「びっこ」という言葉が使用されたことについて、市民団体から障害者差別であり、図書館から排除してほしいという要望を受けました。

図書館は書架から一旦取り除いたのですが、良い本か悪い本かは読者一人一人が判断することであるとし、再び書架に戻し、自由に利用できるようにしました。

障害語のため童話が回収された一件。

このような人権に関する問題を受けて1979年改正では資料提供の自由の項目に提供の制限が挙げられ、「ピノキオ」のような古典的童話であれ、現代の観点から再評価することの必要性についても新たに記載され「自由宣言」は改善されていきます。

びぶーん
びぶーん

時代とともに本も再評価する必要があるんですね。


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1979年改訂の3大ポイント

項目改訂内容
利用者の秘密の保護貸出・利用履歴は厳格に守る必要があると強調
資料収集の自由と役割多様な思想と資料に対応する立場が明文化
提供における制限の再考古典作品でも現代的視点で再評価し、安易な排除を避ける点を改訂

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現代にも続く自由宣言の課題と意義

現代にも1979年の改訂版「図書館の自由に関する宣言(自由宣言)」は有効に作用しています。

  • 第1 図書館は資料収集の自由を有する
  • 第2 図書館は資料提供の自由を有する
  • 第3 図書館は利用者の秘密を守る
  • 第4 図書館はすべての検閲に反対する
しぃしぃ
しぃしぃ

現代でも1979年版は使われているのね。

びぶーん
びぶーん

何度も言うようですが、個人情報保護法が成立したのは2003年5月23日に対して、図書館の利用者の秘密を守るという宣言はかなり前からあった進んだ宣言であるともいえるでしょう。

プライバシー保護の普及状況

個人情報や貸出履歴の管理については法律でも定められていますが、図書館現場では利用者の理解は十分とは言えず、宣言の普及は現在も継続課題です。

出版文化と検閲問題への警戒

図書館は検閲に反対し、多様な意見・文化を受け止める場でなければなりません。

思想統制や排除の歴史から学び、常に開かれた姿勢を維持する必要があります。

デジタル時代の自由宣言

電子書籍やオンライン資料の普及により、情報の取捨選択・利用の秘匿性はより複雑です。

現代の図書館司書には、デジタル情報のアクセスとプライバシー保護の両立が求められています。


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図書館司書として覚えておきたい自由宣言の実践ポイント

利用者の権利意識の定着

いつでもどんな資料でも安全に扱われる——その安心感を創るのは司書の役目です。

利用者への説明会や館内掲示を通じ、「個人情報は守られる場」としての信頼を育てましょう。

資料収集の責任と多様性の確保

蔵書選定時には、社会的・歴史的・思想的に多様な視点を取り入れ、「国民の知る自由」を真に守る心構えが不可欠です。

自ら学び続ける姿勢

自由宣言は歴史の積み重ねによって改善されてきました。

司書自身も、思想や出版環境、法制度の変化を学び続け、図書館実務に生かしていく必要があります。


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まとめ:自由宣言は図書館の礎であり未来へのリレー

1954年採択から1979年改訂を経て、「自由宣言」は図書館が国民の知る自由を守るために必要な指針を形成してきました。

現代においても、自由・多様性・プライバシーを尊重する図書館実務を、司書がしっかり担うことが求められています。

図書館情報資源概論では上記のようなことを学ぶ科目となります。

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