「司書になろうか迷っている」「将来性がないんじゃ…」という不安を抱えていませんか?
図書館司書の仕事がすぐになくなる可能性は低いです。
ただし、これまでと同じ働き方では厳しくなる可能性があります。
AIやデジタル化が進む今後は、専門性や情報リテラシーを備えた司書が求められるでしょう。
この記事では、国内外の資格制度や学位の違い、今後必要とされるスキルを整理しながら、「司書の未来」に光を当てます。
図書館司書は「将来性はない」と言われる3つの理由
「図書館司書は将来性がない」「いずれ仕事がなくなる」といった声を見かけることがあります。
しかし、その多くは図書館業界の現状やAIの発展などを背景としたイメージから生まれたものです。まずは、なぜそのように言われるのか、代表的な3つの理由を見ていきましょう。
AIで仕事が自動化されると思われている
ChatGPTをはじめとする生成AIの登場により、「本を探すだけならAIで十分では?」と考える人も増えました。
実際、蔵書検索や貸出・返却手続きなど、一部の業務はデジタル化が進んでいます。そのため、「図書館司書もAIに置き換わるのでは」と不安に感じる人がいるのも無理はありません。
しかし、図書館司書の仕事は本を貸し出すだけではありません。
利用者の相談に応じて必要な情報を探す「レファレンスサービス」や、地域に合わせた資料選定、読書活動の企画など、人だからこそできる業務も数多くあります。
非正規雇用が多い
図書館業界では、会計年度任用職員や契約職員など、非正規雇用が多いことも「将来性がない」と言われる理由の一つです。
特に公立図書館では、自治体の財政状況によって採用人数や雇用形態が左右されることがあり、正規職員の募集が少ない地域もあります。
そのため、「資格を取得しても就職が難しい」というイメージを持たれやすくなっています。
図書館の予算が減っている
自治体によっては財政状況の影響で、図書館の運営費や資料購入費が抑えられるケースがあります。
また、少子高齢化や人口減少が進む地域では、公共施設全体の見直しが行われることもあり、「図書館の数が減るのでは」と心配する声もあります。
こうした背景から、「図書館司書の仕事も減っていくのではないか」と考える人がいるのです。
それでも図書館司書の将来性がある理由
ここまで見ると、「やはり将来性はないのでは?」と思うかもしれません。
だけど、実際には図書館司書だからこそ担える役割も多く、今後も専門職として活躍できる場面は十分にあります。
AIやデジタル化が進む時代だからこそ、司書に求められる能力も変化している理由を3つ挙げましょう。
AIでは代替できない仕事がある
AIは情報を検索したり文章を生成したりすることは得意ですが、利用者一人ひとりの状況を理解し、最適な資料を提案することは簡単ではありません。
例えば、
- 「子どもが読書を好きになる本を探したい」
- 「認知症の家族について信頼できる資料を探したい」
- 「卒業論文に役立つ専門書を紹介してほしい」
といった相談では、利用者との対話を通じてニーズをくみ取り、適切な資料を案内する司書の専門性が大きな力を発揮します。
学校図書館や大学図書館では専門性が求められる
学校図書館では、読書活動の支援だけでなく、探究学習や情報活用能力を育てる役割も担っています。
大学図書館では、学生や研究者の学術研究を支援するため、専門的な文献検索やデータベースの活用をサポートすることも重要な仕事です。
このように、専門知識を活かして利用者を支援する役割は、今後も必要とされ続けるでしょう。
情報リテラシー教育の重要性が高まっている
インターネットやSNSでは、正しい情報だけでなく、誤情報やフェイクニュースも簡単に広がります。
そのため、「信頼できる情報を見極める力」を育てる情報リテラシー教育の重要性は年々高まっています。
情報の収集・評価・活用を支援する図書館司書は、この分野でも大きな役割を担う存在です。
本を管理するだけでなく、人と情報をつなぐ専門職として、これからの社会でも活躍の場は広がっていくでしょう。
日本と海外の司書資格の違い

日本の司書資格が学部レベルでとどまっていることとは違って、アメリカ・カナダでは修士号が必須となっています。
修士を取ることを前提としているだけって専門職としての地位が高いことを裏付けています。
- 日本では、司書資格は大学の必修科目や通信講座で取得できますが、学士レベルに留まるのが一般的。
- 一方、アメリカ・カナダでは司書(Librarian)になるには修士号が必要で、専門職としての地位が確立されています 。
- アメリカ・カナダでは、図書館学の修士(Master of Library Science)取得がキャリア上の前提。
- 日本でも将来性ある司書になるには、「学士+α」の視点が重要になります。
大学院でMLIS(Master of Library and InformationScience)を取得することが専門団体で働く必須の条件となっています。

日本でも専門性の向上をはかり、司書の地位向上が望まれます。

図書館司書なんて役に立たない資格取ってどうするの?って声は根強いよね。
2. オンライン教育で海外修士を取得するメリット
- オンラインで修士号を取得することで、日本にいながら専門性と国際感覚を強化可能。
- 提供プログラムも増えており、費用対効果とキャリアアップの両立が可能に 。
海外修士を取得した人は、情報を的確に提供する“情報スペシャリスト”としての活躍が期待できます。

現在の司書資格知識だけでなく、論文レベルでレファレンスができる
これから司書専門職を目指す日本の学生が、オンラインで海外の修士を取得するということをキャリア形成の選択肢に加えることができることを知り、とても心強いです。
日本にいながら修士号を取得できる大学
筑波大学 大学院 図書館情報メディア系(英語)
- 日本初・唯一の「英語による図書館情報学修士(2年制)」を提供。
- 完全英語カリキュラムで、国際的情報専門職へのキャリアを支援 。
カナダのアルバータ大学
- 教育学修士、図書館情報学修士号(MLIS)をオンラインで取得できる
- 学校図書館スペシャリストであるTeacher-Librarian のコースもある
- Redditでは、「オンラインで公/学術図書館両方の講座があり、非常に良質」との評価も
アメリカのサンノゼ州立大学
- 多くの学生は働きながらMLIS取得に2.5~3.5 年かける
- 図書館情報学を基盤としつつ、幅広い情報領域に関する研究を行う大学院課程がある
- 2018-2019 年だけでもMLIS 資格取得者が498 実績
日本でも大学によって司書課程の内容や学び方は異なります。将来を見据えて学びたい方は、まずは複数校の資料を比較して、自分に合う大学の学習課程を見つけるのがおすすめです。
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必要なスキル・素養
以下は、司書に求められる主なスキルです。
| スキル分野 | 内容 | コメント |
|---|---|---|
| デジタル&IT | 電子書籍・データベース・デジタルアーカイブ | デジタル時代の必須知識 |
| レファレンス力 | ニーズを聞き取り、最適な資料を提供 | 単なる検索ではなく、対話で深掘る力 |
| 英語・グローバル志向 | 海外文献の取り入れ・国際交流 | 日本の司書の強みを国際舞台へ |
| イベント企画力 | 読書会・ワークショップ等の開催 | 地元とのつながり・広報力が鍵 |
今後は英語の論文を理解できる司書が生まれればグローバル化の波に日本人自体が情報に取り残されない状況を作ることが出来ます。
司書のレベルアップとともに司書資格の権威性を高める動きが国や図書館にも求められると思います。
「国境のない専門性」でキャリア形成を
図書館司書の情報整理の知識とレファレンスの正確さは他に負けない専門領域になりうるスキルです。
そこで、グローバル化が進む現代においては以下の2点が求められます。
- 日本の司書が見直すべきは、自己の専門性が国際基準で通用するかという視点。
- デジタル技術とグローバル感覚を掛け合わせることで、「お金を稼げない職業」というイメージを覆す可能性があります。

グローバル化に順応するか、地域に特化するかどちらかの方針が今後司書の仕事の将来性を決めていくでしょう。

まずは、お金が稼げないってイメージがついちゃっているからそこから払拭すべきね!
多くの公共図書館では、「図書費の確保」が最優先されがちで、その陰で人件費が軽視される傾向があります。
もちろん新刊や資料の充実は利用者サービスの要ですが、それを活かすのはあくまで“人”です。
司書の専門知識やレファレンス能力、地域とのつながりを生む企画力こそが、図書館の本質的な価値を支えています。
ところが、非正規職員や少人数体制での運営が常態化しており、「人件費は削減対象」とされる構造が司書の地位や働きがいの低下を招いています。
図書館の将来性を論じるなら、図書購入だけでなく、専門職としての司書の待遇改善や人材育成にも目を向ける必要があります。

「中小都市における公共図書館の運営」(通称「中小レポート」)によって貸出数が激増したことにより、図書館の市民への普及が図られました。しかし、図書館文化の普及とともに次に問題になっているのは働いている「人」の幸福度の問題も浮き彫りになってきています。
図書館司書の年収・正規雇用・学校司書配置率
政府統計によれば、図書館司書の平均年収は約583.3万円(2025年)で、正規雇用は約3割にとどまるります。
実は公立図書館数は約3,400館と増加傾向にあり、学校司書配置率は小学校66.6%・中学校55.6%(2023年度)となっています。
| 項目 | 最新データ |
|---|---|
| 司書の平均年収 | 約583.3万円 |
| 正規・非正規雇用 | 正規職員33.3%、非正規雇用も多い |
| 公立図書館数 | 3,400館(過去最多) |
| 学校司書配置率 | 小学校66.6%・中学校55.6% |
| 大学図書館数 | 約812館 |
まとめ
たしかに現時点において図書館司書にとって将来性という意味では少し不確かなものが付きまといます。
しかし、図書館司書という職業は、単に「本の管理をする人」ではなく、情報を正確に選び、利用者に的確に届ける“情報のプロフェッショナル”です。
日本ではその専門性が十分に評価されているとは言えず、資格取得も学士レベルで済むことが多く、待遇やキャリア形成に不安を感じる人が少なくありません。
しかし、アメリカやカナダなどでは、修士号が司書の基本条件とされ、国際的には高い専門性を求められる職業として認識されています。
近年はオンラインで学位が取得できるプログラムも増え、日本にいながら世界基準の学びを得ることも可能です。
さらに、デジタル時代の到来やグローバル化の中で、求められる司書像も大きく変化しています。
単なる蔵書の管理者ではなく、地域に寄り添い、多様な情報ニーズに応えられる柔軟な専門職こそが、これからの図書館を支える存在です。
将来性がないとされるのは、「過去のイメージ」にとらわれた図書館司書の姿。
視野を広げ、スキルを磨けば、司書という仕事は十分に希望ある道となり得ます。
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