【高校受験2027】やる気スイッチはどこにある?受験期の子どもに「入れ方」を求める前に、親が知っておきたいこと

まなぶ
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もしかして、偏差値60の高校あきらめた?

この間の県模試での志望校判定は、D判定でした。

そして妻は言いました。

「目指すことさえ許されないのか……」

娘は現実を突きつけられて、表面上は普通に生活しているものの、どこかである程度諦めがついてしまった気がします。

「もうこれ以上頑張っても……」と思いながら、夏期講習にはこの間も重い腰を上げて向かっていました。

前回の記事はこちら→【高校受験2027】第一回県模試、偏差値49。現実を叩きつけられました。

「なんで3時間も勉強しなくちゃいけないんだ……。」

本当にそうですよね。なんで夏休み、「休み」ってついているのに、勉強しなくちゃいけないんだろう。

そう言いながら、塾に送っていきました。身体に重りでも付けているかのように足を引きずりながら通う、夏期講習。

「夏期講習だってただじゃないんだぞ」と大人は思うでしょう。

でも子どもにはそんなこと関係ありません。やりたいかやりたくないか、モチベーションが高ければやるし、低ければやらない。ただそれだけなのです。

びぶーん
びぶーん

親としても受験期の子どもにどう向き合ったらいいのか考えちゃいますよね。

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「うちの子のやる気スイッチ、どこにあるんですかね」

受験期の子どもを持つ親御さんが、学校の先生にこう聞くことがあるそうです。

「うちの子のやる気スイッチ、どこにあるんですかね?」

答えは先生によって様々です。

「背中です」と答える人もいれば、「さぁ」と答える人もいる。

「本当ですね」と共感を示してくれる人もいる。

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河合隼雄風に語る「やる気スイッチ」という幻想

ユング心理学を日本に広めた第一人者であった河合隼雄さん風に、この「やる気スイッチ」について語っていきます。

あくまで河合隼雄さん風に語ります。

河合隼雄さんは、ユング心理学を日本に広めた第一人者として知られ、子育てや教育に関する著書も多く残しています。専門的な理論だけでなく、親しみやすい言葉で「心」を語ったことでも人気があります。

「やる気スイッチはどこにあるんですか?」というのは、とても分かりやすい理屈です。

今はスイッチを押せば電気がつきます。水道をひねれば水が出る。手先を動かすだけで、大きな変化が起きると私たちは思っているわけです。

でも本当は、電気を作って送電線を伝って家に届くまでには労力がかかっています。川まで行って重い水を汲んできて、家に毎日運ぶ労力が、本当はかかっているのです。

でも、便利な現代では指先ひとつでその「労力」を感じることなく「恩恵」のみ受けているわけです。

だからこそ、子どもの心にも「やる気スイッチ」なんて便利なものが現代にはあるはずだ、という発想が生まれてしまう。でも、いくら社会が科学の力で発展したからといって、人間の心というものはそう簡単には変わりません。「やる気スイッチ」という便利なものがあると思っていらっしゃる親御さんは多いのですが、人間の心は指先ひとつでかかるようなスイッチにはなっていないのです。

便利な「原因」「結果」論

また、スイッチを押すという「原因」があって、やる気が出て勉強するという「結果」が導き出される——「原因」があって「結果」が出るというのは、至極当然のことのように思えます。

けれど、どうやらこの因果関係というものが、便利になりすぎているらしいのです。

私たちには、思ってもいないような「なんとなく」があります。

子どもたちは「なんとなく」勉強をしようと思ったり、「なんとなく」やる気が出なかったりする。

ですが親は、子どもが勉強しないのには何か「原因があるはずだ」と思い、その「原因」を作ろうとしてしまうのです。

次のテストで何点取ったらこれを買ってあげるよ、と「報酬」を与えてやる気が出る子であれば、「報酬」を与えればいい。

「障害」を取り除こうとする親もいるでしょう。

塾までの道のりが暑いから自転車ではなく車で送ろうとか、学校に嫌がらせをしてくる人がいるからその人を遠ざければうちの子はうまくいくんだ、と「障害」を取り除こうとする親もいます。

それも、悪いことではありません。

でも、報酬を与えても、障害を取り除いても、それでもやる気が出ないときがある。

そこには、子ども自身にも理解できていない「なんとなく」があるのです。その「なんとなく」をどうやってやる気に変えることができるのか——これは、本当に難しい問題です。

しぃしぃ
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それを加味して、科学的にやる気スイッチってどういう風に入れるのか見ていきましょう。

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科学的に見る「やる気」の高め方5つ

「やる気スイッチ」は幻想だとしても、心理学の研究では「こういう関わり方をすると、やる気が出やすくなる」ということがいくつも分かっています。

ここでは代表的な5つの知見を、根拠となる研究とあわせて紹介します。

科学的根拠に基づくやる気スイッチ5項目のセクション

  1. 自己決定理論(自律性・有能感・関係性)
  2. 努力をほめる(ドゥエックの研究)
  3. 具体的で少し難しい目標設定(ロック&レイサムの目標設定理論)
  4. 小さな成功の積み重ね(ドーパミンの報酬予測誤差)
  5. if-thenプラン(ゴルヴィッツァーの実行意図研究)

1. 「自律性・有能感・関係性」を満たす(自己決定理論)

心理学者のデシとライアンが提唱した自己決定理論では、人は「自分で決めている感覚(自律性)」「できるという手応え(有能感)」「誰かとつながっている感覚(関係性)」の3つが満たされるほど、内側から湧き出るやる気(内発的動機づけ)が高まるとされています。

  • 「自分で決めている感覚(自律性)」
  • 「できるという手応え(有能感)」
  • 「誰かとつながっている感覚(関係性)」

逆に、脅しや期限、押しつけられた目標などは、この感覚を弱めてやる気を下げてしまうことが研究で示されています。

しぃしぃ
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一人にしないって大事なのね。

参考:自己決定理論とは(コーチングガイド)

2. 結果より「がんばった過程」をほめる

スタンフォード大学の心理学者キャロル・ドゥエックらは、小学5年生約400人を対象に、パズルを解いた後に「頭がいいね」と能力をほめるグループと、「よくがんばったね」と努力をほめるグループに分けて追跡しました。

その結果、努力をほめられた子どもたちの方が、その後も難しい課題に挑戦したがり、失敗しても粘り強く取り組む傾向が見られました。能力をほめられた子どもは、逆に簡単な課題を選びがちだったといいます。

びぶーん
びぶーん

県模試227点台でも受けてきたことだけでえらい!!

参考:Praising Intelligence: Costs to Children’s Self-Esteem and Motivation(Stanford, Bing Nursery School)

3. あいまいな目標より「具体的で少し難しい目標」を立てる

経営学者エドウィン・ロックとゲイリー・レイサムが数十年にわたり行った目標設定理論の研究では、「がんばります」のようなあいまいな目標よりも、「今回のテストで数学を45点から55点にする」のように具体的で、かつ少し背伸びが必要な目標の方が、パフォーマンスを高めることが繰り返し確認されています。

この効果は、世界各国・数万人規模のデータで支持されています。

しぃしぃ
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今度は理科32点を42点に伸ばそう!そのために何を取り組んだらいい?

参考:New Directions in Goal-Setting Theory(Locke & Latham)

4. 「小さな成功」を積み重ねて脳の報酬回路を働かせる

脳のドーパミン神経は、実際の結果と予測との差(報酬予測誤差)に反応して働くことが、神経科学の研究で分かっています。

予想よりうまくいったときにやる気の回路が強化される仕組みなので、いきなり大きな目標を狙うより、達成しやすい小さな課題を積み重ねて「できた」という手応えを重ねる方が、やる気を維持しやすいと考えられています。

しぃしぃ
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英語は平均点を大きく上回ったのは予想してなかったいい点数だよね!

参考:ドーパミン神経細胞は文脈依存の報酬予測誤差を表現できる(筑波大学)

5. 「いつ・どこで・何をするか」を先に決めておく(実行意図)

心理学者ペーター・ゴルヴィッツァーの研究では、「もし○○の状況になったら、□□をする」という「if-thenプラン」をあらかじめ決めておくグループは、単に「頑張る」と目標だけを掲げたグループに比べて、目標達成率が大きく上回ることが分かっています。

ある実験では、期限内にレポートを書くという課題で、if-thenプランを立てたグループの達成率は7割を超えたのに対し、目標を掲げただけのグループは3割程度にとどまりました。

びぶーん
びぶーん

何時になったら勉強に取り組む。お菓子を食べたら取り組む。何かと勉強を一緒にするとただ「頑張る」より成果が出るんだね!

参考:Implementation Intentions Research(Gollwitzer & Sheeranのメタ分析紹介)

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今はただ、様子を見る時期

とりあえず、

うちの子は8月下旬に県模試を控えているので、それまでは様子見です。

「夏休みで他の生徒に差をつけろ!」と塾のポスターには書かれていて、親としては焦る気持ちもあります。

でも、子どもの方こそプレッシャーがかかっているはずなので、親はこれ以上プレッシャーを与えないようにしようと思っています。

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まとめ

「やる気スイッチ」は、スイッチを押せば電気がつくのと同じような感覚で語られがちですが、実際には存在しません。

子どものやる気には、本人にも説明のつかない「なんとなく」が大きく関わっていて、親が原因を決めつけて取り除いたり、報酬で釣ったりしても、必ずしもうまくいくとは限らないのです。

大切なのは、「やる気スイッチの入れ方」を外から無理やり探すことではなく、子どもの「なんとなく」を尊重しながら、プレッシャーを与えすぎずに見守ること。うちも8月下旬の県模試まで、答えを急がず、子どものペースにできるだけ寄り添っていきたいと思います。

同じように「うちの子のやる気スイッチ、どこにあるんだろう」と悩んでいる親御さんにとって、この記事が少しでも気持ちを軽くするきっかけになれば嬉しいです。

次回は、こちら夏休みのタイムスケジュールどうなってる?です。

この記事を書いた人

bibroom

図書館司書資格保有|心理学専攻卒|元宝石店員|3児の父

働きながら通信大学で心理学を学び、 図書館司書の資格を取得。現在は3人の子育て中。 学び・教育分野の発信者。年間200冊以上の本を子どもたちと読み続けながら、 「本当に子どもの心に刺さる一冊」を探し続けています。 本のおすすめから司書を目指す人への情報、 エンタメ・エッセイまで人の心を動かすものすべてをテーマに執筆しています。

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