浜辺美波、北村匠海さん主演『思い、思われ、ふり、ふられ』視聴しました。
終始、胸キュン展開で高校生の甘酸っぱい恋愛を楽しみたい人には最適な映画だと思います。一方で垣間見えるのは、「ステップファミリー(再婚家庭)」で暮らす子どもたちのストレスと心の葛藤です。主人公の浜辺美波さんと北村匠海さんは両想いながらも親同士が結婚してしまって「恋人」ではなく「家族」として暮らす選択をしていました。
血のつながりのない親との関係、親同士の再婚によって変わる家庭環境。ときに子どもは、自分の意見を殺してまで家庭のバランスを保とうとします。
本記事では、映画の登場人物の心の動きを手がかりに、「ステップファミリー×子ども×ストレス」について深掘りしていきます。
ステップファミリーとは?日本における現状と背景
まず、ステップファミリーとは、どちらか一方が子連れで再婚することで生まれる家族形態のことです。
ステップファミリーとは、「少なくとも一人の親が、その親の生物学的な子(実子)でない子を含む家族」を指すのが一般的です。
これには、再婚だけでなく、内縁や事実婚関係にある場合も含まれ、その成り立ちは非常に多様です。
結婚した4組に1組が再婚 国のデータでは、全婚姻件数に占める再婚件数の割合は、1970年代以降上昇傾向にあり、近年は婚姻の約4件に1件が再婚となっています
全国のひとり親家庭数は120万世帯を超えており、これらの家庭は「子連れ再婚家庭(ステップファミリー)予備軍」とも言えるでしょう。

年間に再婚する人は13.9万件いてそのうち子連れ再婚は3.7万件婚姻全体が52.6万件だから全体の約7%がステップファミリーということになるわ。
| 項目 | データ |
|---|---|
| 婚姻全体数(2020年) | 約52.6万件 |
| 再婚件数(2020年) | 約13.9万件 |
| うちステップファミリーの推計 | 約3.7万件 |
| 婚姻全体に占める割合 | 約7% |
すなわち、再婚家庭のうち4組に1組がステップファミリーであり、私たちの社会にとって決して“特殊”な家族ではありません。
多様なライフスタイルが広がる現代社会において、離婚や再婚はもはや珍しいことではなくなり、それに伴ってステップファミリーの形も増えています。
しかし、その実態や、家族が抱える課題は、意外にも社会に十分に知られていないのが現状です。

実際に僕も『思い、思われ、ふり、ふられ』を見るまでは考えもしなかったです。
子どもの葛藤|家庭の空気を読む理央と朱里
『思い、思われ、ふり、ふられ』では、登場人物の浜辺美波と北村匠海が、親の再婚によって義理の兄妹として暮らすことになります。
北村匠海演じる理央は、義母や義妹に遠慮し、心から自分の気持ちを言えずに苦しんでいました。
浜辺美波演じる朱里もまた、新しい家庭の中で「いい子」であろうとしすぎて、自分の気持ちに蓋をしています。
これはまさに、ステップファミリーで育つ子どもたちが抱えがちな「家庭内調整役」というストレスの典型ともいえるでしょう。
子どもは、両親の離婚によって直面する様々な出来事(両親の葛藤、転居、転校、面会交流の不在、経済的苦労、親の再婚など)から、寂しさ、怒り、悲しみ、罪悪感、自尊感情の低下といった内面的な問題や、攻撃性、依存性、学業問題といった外面的な問題を抱えることがあります。
しかし、子どもは単に困難に順応する「受動的な存在」ではなく、それらを、乗り越えようとする「能動的な存在」であるという視点も重要です。

乗り越えようとするから自分の気持ちに蓋をしてでも家庭内での調整役をしてストレスを感じてしまうのね。
社会的な偏見と「カミングアウト」の困難 あるアンケート調査では、ステップファミリーであることを「周りの人にカミングアウトしている」と答えた人はわずか6割、「ステップファミリーに関する悩みを相談できる相手がいる」と答えた人はわずか4割にとどまりました。

乗り越えようとする努力とは裏腹に本音を相談する相手が少ないことやそもそもカミングアウトできない人も社会的な偏見があってできない環境にあるってことだね。
子どもが抱える“見えないストレス”
ステップファミリーにおける子どもは、次のような心理的負担を抱えることがあります。
1. 「空気を読むこと」が習慣になる
- 自分が波風を立てないように気を遣う
- 親の幸せのために自分の気持ちを後回しにする
- 言いたいことが言えずに感情を内面化する
まさに「空気を読む」ということが『思い、思われ、ふり、ふられ』では浮き彫りになっていました。
2. 愛されているか不安になる
- 血のつながらない親との距離感がある
- 義親が自分を本当に受け入れているのか疑問に感じる
- 「気を使われている」と感じてしまう孤独感
当事者の声の中には、「血の繋がりなんかなくても、本当の親子になれると信じて一生懸命育ててきた」という継父の言葉が、子どもにとって大きな喜びとなったエピソードも紹介されている記事もあります。
3. 家庭の中で孤立する
- 自分だけ“外側の存在”だと感じる
- 継きょうだいや親戚と馴染めない
- 誰にも相談できず、家庭の中で孤独になる
データで見る、ステップファミリーと子どもへの影響
ステップファミリーの子どもには、虐待や精神的孤立といったリスクも指摘されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 虐待死における加害者がステップファミリーの割合 | 11.9%(心中除く) |
| 虐待事件報道(2018~2022年) | 12件(うち5件が死亡) |
| ステップファミリーの子で「相談相手がいる」割合 | 約40% |
2018年から2022年の5年間で、朝日新聞朝刊で報道されたステップファミリー内での虐待事件は12件、これらの事件の内訳は、傷害事件が7件、虐待死事件が5件、虐待死事件の1件は、婚姻関係にないパートナーの子どもへの虐待によるものです。小榮住(2023)
こうした背景には、社会制度や支援体制の不十分さ、偏見、孤立といった構造的な問題も関係しています。
支援があれば、子どもは乗り越えられる
映画の中でも、北村匠海と浜辺美波演じる朱里は自分たちの気持ちを昇華させて自分に正直になり、幸せに向かっていく姿を見せてくれました。
ステップファミリーの子どもは、決して弱い存在ではありません。
彼らは、「大人の事情」に翻弄されながらも、現実に向き合い、自分なりに折り合いをつけようとしています。
そんな彼らに必要なのは、周囲の理解と支援、そして“本音を語れる場所”です。
ステップファミリーに求められる支援と社会の変化
現在の日本におけるステップファミリーへの公的な支援は「手探り状態」だと思います。
民間団体による先駆的な取り組みも見られますが、地域差や有料サービスが多いことなどから、普遍的な支援としては機能しきれていません。
日本初のステップ ファミリー支援組織の任意団体「Stepfamily Association of Japan」は,2001年に設立されています。

Stepfamily Association of Japanのステップファミリーへの間違った思い込みのリンクを張っておくわ。

主だったステップファミリー支援団体は表にしておきます。
ステップファミリー支援団体一覧(全国)
| 団体名 | 所在地 | 主な活動内容 | リンク |
|---|---|---|---|
| NPO法人 M-STEP | 千葉県柏市 | 実態調査、関連書籍発行、支援者養成講座、啓発活動 | 公式サイト |
| ステップファミリーサポート協会カモミール | 香川県 | カウンセリング、再婚家庭支援、学習会 | 公式Facebookページ |
| コ・リーダーズ | 京都市 | カウンセリング、コーチング、セミナー | 公式サイト |
| はじめて相談@LINE電話 | オンライン | ピアカウンセリング、当事者交流、LINEグループ | LINE |
| ステップパパの研究会 | 東京都 | 継父の視点からの支援、情報共有、ネットワーク作り | Facebookグループ(要参加申請) |
上記に上げただけでは全国をカバーすることが出来ず、相談体制の拡充と多様化が求められています。
地域の差をなくすためにも、生活上の悩みの相談窓口の充実だけでなく、スマートフォンなどを用いて自宅で気軽に相談できるシステムの導入も強く要望されそうです。また、男性のジェンダー格差から見過ごされてしまうであろう父子家庭へのサポート不足を指摘する声も聞かれています。
まとめ
『思い、思われ、ふり、ふられ』は、恋愛映画としてもう胸キュン展開満載のエンターテイメント作品となります。映画では浜辺美波さん、北村匠海さん、福本莉子さん、赤楚衛二さんがキュンキュンさせてくれます。もう一方で家族の在り方、ステップファミリーについても気づかされる作品です。
「ステップファミリー」と一口に言っても、それぞれの家庭には多様な形があり、抱える課題も異なります。
その存在を社会が認知し、偏見なく受け入れること、そして個々の家族が安心して生活し、子どもたちが健やかに育つための具体的な支援を充実させていくことは、血縁の有無にかかわらず、誰もが幸せに暮らせる共生社会を築くために不可欠な一歩です。
この記事を読んでくださった皆さんも、ぜひこの情報を周りの人と共有し、ステップファミリーへの理解を深める一助となっていただければ幸いです。
最後までお読み下さりありがとうございました。
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