宮西真冬のおすすめ小説!あらすじ・魅力を解説

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2017年に『誰かが見ている』で第52回メフィスト賞を受賞し、鮮烈なデビューを果たした宮西真冬(みやにし まふゆ)先生。人間の心の奥底に潜む「表と裏」を冷徹かつ繊細に描き出し、多くの読者を中毒にさせています。

「イヤミス(読んだ後に嫌な気分になるミステリー)」の旗手と思われがちですが、その物語の先には必ず「救い」や「再生」が待っているのが、宮西作品の最大の魅力です。

今回は、これまで出版された単著全作品を、おすすめの理由とともにご紹介します。

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宮西真冬のおすすめ小説

『誰かが見ている』

こんな人におすすめの理由

  • SNSでの「見せかけの幸せ」に疲れている人
  • 周囲に「助けて」と言えずに一人で抱え込みがちな人
  • 衝撃のラストで、絶望から希望への大逆転を味わいたい人

あらすじ
第52回メフィスト賞受賞! ブログで賞賛されたいがために、虚偽の「幸せな育児生活」を書くことが止められない千夏子。年下の夫とのセックスレスに悩む結子。職場のストレスで過食に走り、恋人との結婚だけに救いを求める保育士の春花。優しい夫と娘に恵まれ円満な家庭を築いているように見える柚季。4人それぞれの視点で展開する心理サスペンス! 夫も恋人もまた裏の顔を持っている。ねじれる感情の果てに待ち受ける衝撃!

読者レビュー

  • 見栄とか周りと比べる事なんて捨てていまある幸せを大切にしようと思った
  • ここ最近読んだ中で一番です。何の違和感もなく没入できた!
  • この辛い経路をようやく走り終えたような、読了の満足感を得た!
  • こんなに皆裏表があって生きにくそうだと思いました。

魅力ポイント
本作は単なるイヤミスではありません。彼女たちが飲み込んできた「助けて」という悲鳴が、どのように救済へと繋がるのかが見どころです。「完璧な人なんていない、それでいい」という著者の温かいメッセージが、サスペンスの枠を超えて胸に響きます。

「イヤミス」とは、「読後にイヤな気持ちになるミステリー」の略

『首の鎖』

こんな人におすすめの理由

  • 「家族」という絆が、時に「鎖」のように重く感じている人
  • 介護やDVといった、逃げ場のない社会問題に切り込む物語を読みたい人
  • 閉塞感のある状況から、自由を求めて足掻く人間に共感したい人

あらすじ
人生のすべてを祖母と母の介護に捧げてきた勝村瞳子は、四十歳目前にして未来が見えない。妻の執拗なDVに悩む丹羽顕は、母に認知症の疑いがあることを知り、愕然となる。心療内科で出会った2人は次第に心を通わせていく。だが・・・・・・。「――妻を、殺してしまいました」「・・・・・・すぐに行くから、待っていてください」 自首しようとする顕を止め、遺体を隠そうと言い出す瞳子。果たして殺人の隠蔽は成功するのか?

読者レビュー

  • 自分の幸せは自分で掴み取らないと誰も代わりにしてくれないと分かる小説!
  • 歩み寄らないことから生じる歪みがここまでになるとは!
  • 人生を犠牲にしてまで、家族の介護に奮闘している人に見て欲しい!
  • 「絆だと思っていたものは、ただの鎖だった」このフレーズにドキッとさせられた。

魅力ポイント
家族ゆえの「呪縛」をリアルに描きつつ、ラストには「人生で初めて感じる自由」という鮮やかなカタルシスが用意されています。救いのない状況下で、主人公たちがどのような選択をするのか、ページを捲る手が止まりません。

『友達未遂』

こんな人におすすめの理由

  • 女子高特有のひりひりとした緊張感や人間関係を味わいたい人
  • 自分の才能に限界を感じ、挫折した経験がある人
  • 「友達」でも「敵」でもない、絶妙な距離感の青春群像劇を読みたい人

あらすじ
「これでみんな共犯者ね」。

少女たちは傷つき、悩み、自分たちの道を選び取る。全寮制女子高である星華高等学校は、街から離れた山奥にあり、規律に厳しいことで有名だった。さらに同校には「マザー制度」というものがある。新入生を「チャイルド」、3年生を「マザー」といって寝食を共にしつつルールやマナーを教えるというものだ。伝統と格式のある学園の寮で、不審な事件が次々と起きルームメイト4人が巻き込まれていく。

読者レビュー

  • きっちり最後に希望を見せてくれることで安心した!
  • とにかく女子高全寮制の私立ドロドロ…。
  • 割と定番だから、人を選ばず面白く読める。楽しまさせていただきました!
  • 女子たちがきちんと人生を自分のものとして生きるために、立ち上がりかける姿が、見事であり感動!

魅力ポイント
著者の実体験が投影された「才能への葛藤」が非常にリアルです。
単なる友情物語ではなく、傷つき悩みながらも自らの道を選び取る少女たちの成長が、鋭い観察眼で描かれています。

『毎日世界が生きづらい』

こんな人におすすめの理由

  • 日常のふとした瞬間に「生きづらさ」を感じている人
  • 夫婦関係の微妙なズレや、言葉にできない不満を抱えている人
  • 悪意はないはずなのに、なぜか上手くいかない人間模様に触れたい人

あらすじ
タイトルの通り、「生きづらさ」を抱える夫婦の物語です。お互いを思い合っているはずなのに、どこか噛み合わず、罪悪感や怒りを抑え込みながら日々を過ごす二人の姿が描かれます。

読者レビュー

  • 読みながら苦しくてたまらなかった。それでも読み進める手が止まらなかった。
  • 紛れもないラブストーリー。最後のシーンの妻の美景の言葉をメモしておこう!
  • 読んでる最中はもっと落ち込む話かと思ったけど、読み終えたらそんなに沈んだりしない!
  • 宮西真冬さんが実体験で小説家デビューするときの環境変化を書いていて興味深い。

魅力ポイント
特別な事件が起きなくても、「ただ生きること」がいかに困難で、同時に尊いかを感じさせてくれます。カウンセリングのシーンなどを通じ、読者自身の心も解きほぐされていくような、静かな深みのある一冊です。

『彼女の背中を押したのは』

こんな人におすすめの理由

  • 「毒親」というキーワードや、歪んだ親子関係に関心がある人
  • 妹の死の真相を追う、重厚なミステリーを求めている人
  • 人間の外面(建前)と内面(本音)のギャップにゾクっとしたい人

あらすじ
使えないやつは、生きてちゃダメですか?

書店に勤めていた妹が、ビルから飛び降りた。相談したいことがあるとメールをしてきたその日に。結婚と同時に上京し平穏に暮らしていた姉・梢子は、妹に何があったのかを探るため、地元に戻り同僚たちに会いに行く。妹を追い詰めたものは何なのか? 母の過剰な期待と父の無関心、同僚からぶつけられた心ない言葉、思うようにいかない恋愛……。妹の過去を辿ることは、梢子自身の傷に向き合うことでもあって――。

読者レビュー

  • 人間模様がリアルで、引き込まれました。この作品に出会えてよかった。
  • 夢見がちな「書店員さんになりたい」願望に冷や水を浴びせる現実が描かれていた…
  • 読む前と読んだあとでタイトルの意味が変わるのが秀逸。
  • 生きづらいこの世界。特に女、でも強いのも女。 改めて生きているだけ丸儲けだ!

魅力ポイント
「誰が妹の背中を押したのか」という謎解きの中に、現代社会が抱える病理や家族の闇が濃密に描き出されています。読み終えた後、タイトルの持つ本当の意味に気づかされたとき、深い余韻に包まれるはずです。

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まとめ

 宮西先生は「普通の人」です。飛びぬけた「何か」を持っているかと言われれば、そこまで特化していない。だからこそ「普通」の生活を小説に落とし込んでいくことが出来る。宮西真冬先生の作品は、どれも私たちのすぐ隣にあるかもしれない「生きづらさ」を描いています。しかし、それを描き出す筆致はどこまでも真摯で、読み手への寄り添いに満ちています。

びぶーん
びぶーん

読後、最後にほんの少しの希望を残していく宮西作品は「生きづらさ」への「やさしい処方箋」のような小説を書く方です。

【宮西真冬・刊行リスト(単著)】

  1. 『誰かが見ている』(2017年)
  2. 『首の鎖』(2018年)
  3. 『友達未遂』(2019年)
  4. 『毎日世界が生きづらい』(2021年)
  5. 『彼女の背中を押したのは』(2022年)

また、2025年12月には『それはそれはよく燃えた』にも寄稿されていますね。

しぃしぃ
しぃしぃ

これから楽しみな作家さんの一人だわ!

宮西先生の物語は、暗い部分を照らし出し、目を背けたくなるような現実を見せますが、出口の光も提示してくれます。

ぜひ、あなたの心に刺さる一冊を見つけてみてください。

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