「本が好きだから図書館司書になりたい。でも、ネットでは『食べていけない』という声ばかり……。本当のところはどうなの?」
そんな不安を抱えている方は少なくありません。結論から言えば、「すべての司書が食べていけないわけではないが、非正規雇用を選んでしまうと生活は非常に厳しい」というのが図書館業界の残酷な真実です。

正規雇用なら食べれる!非正規なら厳しいです!
この記事では、現役司書や志望者が直視すべき「お金と雇用のリアル」を詳しく解説します。
1. 司書の平均年収は300万円前後
統計データによると、図書館司書の平均年収は約300万円前後とされています。日本の全職種の平均年収が約461万円であることと比較すると、150万円以上も低い水準です。
特に深刻なのは、自治体で働く非正規公務員(会計年度任用職員など)の実態です。
調査では、図書館司書を含む非正規公務員の約6割が年収200万円未満で働いていることが明らかになっています。このように、「司書は食べていけない」という言葉の裏には、非正規雇用の増大という構造的な問題が隠されています。

深刻なのは正規雇用が少ないということです。
2. なぜ「食べていけない」と言われるのか?
司書の給料が上がりにくい背景には、図書館という組織特有の構造的な問題があります。
- 指定管理者制度の普及
近年、公立図書館の運営を民間企業に委託する自治体が増えています。
コスト削減が優先されるため、専門職であっても人件費が抑制され、低賃金な契約社員やパートが業務の大半を担う構造が定着してしまいました。 - 収益性の欠如
図書館は税金で運営される公共サービスであり、直接利益を生みません。
そのため、自治体の予算削減の対象になりやすく、正規職員の採用枠は極めて少ないのが現状です。

専門職でありながら収益を生む仕組みでないことから、年収は低い。さらに正規職員雇用が少なく、契約社員やパートだと賃金もさらに安く、雇用が不安定だというのが現実です。

図書館が日本に普及するきっかけとなった「中小レポート」の前川恒雄さんが館長を務めた日野市立図書館では「人件費よりも図書費を!」と声高に叫んで図書館の必要性を市民に広めたことからも、人件費って図書館では大事にされてないのよね。
3. 「食べていける司書」と「苦しい司書」の決定的な違い
図書館業界には、明確な「格差」が存在します。
司書として自立して生きていけるかどうかは、「正規職員」のポストを勝ち取れるかにかかっています。
| 項目 | 食べていける司書(正規職員) | 苦しい司書(非正規職員) |
|---|---|---|
| 雇用形態 | 自治体の正規司書、大学の専任職員など | 会計年度任用職員、派遣、パート |
| 想定年収 | 400〜600万円程度(昇給・賞与あり) | 200〜300万円以下(昇給なし・賞与なしが多い) |
| 月収の目安 | 初任給で月20〜25万円前後 | 時給制が多く、月12〜18万円程度 |
| 将来性 | 長期的なキャリア設計が可能 | 雇止めのリスクがあり不安定 |
地方公務員の平均月給が35〜37万円であることを考えると、正規の公務員司書になれば、一般の事務職と同等の安定した生活を送ることが可能です。
司書資格を持っているだけでは不十分で、いかにしてこの「正規ポスト」に就くかが、食べていくための最大の分岐点となります。

ただ正規ポストに就くのは本当に狭き門ですから、司書資格を取っても正規ポストに就職できない。これが図書館司書が食っていけないという一番の理由です。
4. 図書館司書として「食べていく」ための3つのルート
厳しい現実を突破し、司書を一生の仕事にするためには、ただ待っているだけではいけません。以下の戦略が必要です。
① 「司書職」の公務員試験に合格する(専門職ルート)
自治体が実施する「免許資格職」としての採用試験を突破する方法です。
- メリット: 合格すれば確実に図書館で専門職として働けます。
- 難易度: 採用枠が極端に少なく(若干名)、倍率は30〜60倍、時には100倍を超えることもある超難関です。
② 「行政職(一般事務)」で合格し、異動を狙う(一般職ルート)
まずは一般の公務員試験に合格して採用され、その後の人事異動で図書館配属を希望する方法です。
- メリット: 司書枠よりも採用人数が多く、合格のチャンスが高いです。
- デメリット: 配属は運次第であり、3〜5年で他部署へ異動になる可能性も高いです。ただし、司書資格を持っていると図書館関係の部署に配属される可能性は高まる傾向にあります。

必ずしも希望の異動ができるとは限りませんが、採用人数が多いのでこちらの方がチャンスありそうです。
③ 会計年度任用職員(非正規)から正規登用を目指す
まずは非常勤として現場に入り、実務経験を積みながら正規職員の試験に挑戦するルートです。
- 注意点: 非正規のままでは待遇が厳しいため、あくまで「正規へのステップアップ」と割り切る戦略が必要です。
一般事務職から図書館へ配属される確率はどのくらい?
一般事務職(行政職)として採用された後に図書館へ配属される具体的な確率は、数値として図ることはできませんが、配属の仕組みや傾向については、以下の点が示されています。
- 配属の仕組みと可能性
地方公務員は基本的に3〜5年で部署異動(ジョブ・ローテーション)があり、図書館もその異動先の一つに含まれます。多くの自治体では、最初から「司書職」として募集するのではなく、一般の職員の中から適任者を図書館に配属する形式をとっています。 - 資格による優遇
司書資格を所有していると、図書館関係の部署に配属される可能性は高まる傾向にあります。ただし、資格があっても必ず図書館に配属されるという保証はありません。 - 配属の難しさ
都市部などの自治体では、図書館以外の庁内部署が非常に多く、配属先は多岐にわたります。また、図書館勤務を希望する人が多い場合は、必ずしも希望が通るとは限りません。 - 自治体の方針
一部の自治体では、専門職(司書職)を採用すると他の部署へ異動させにくくなるため、あえて司書職を採用せずに一般事務職を回して運営しているケースもあります。
一般事務職からは、「確実に配属される」という保証はなく、運や自治体の人事方針に左右されるのが実情です。
5. 後悔しないための「生存戦略」ステップ
司書を一生の仕事にするためには、ただ「本が好き」という情熱だけではなく、戦略的な準備が不可欠です。
- 司書資格を確実に取得する
公務員の司書職を受験するには資格が必須です。大学での履修、卒業後の司書講習、あるいは通信制大学の活用など、自分に合った方法で早めに取得しましょう。 - 公務員試験の対策を万全にする
一般教養に加え、図書館情報学などの専門試験、論理的な論文対策が必要です。 - プラスαの専門性を磨く
ITスキル(Web管理やデータベース)や特定分野の高度な知識を持つことで、替えの効かない存在を目指すのも有効な戦略です。
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司書資格を取ることを検討しているなら、まず資料請求を
「食べていける司書」への第一歩は、 資格取得と就職戦略を同時に考えることです。 まずは通信大学の資料を無料で取り寄せて、 学費・カリキュラム・サポート体制を比較しましょう。
まとめ
情熱だけで乗り切れるほど甘くないが、戦略次第で道は開けます。
図書館司書は、人々の「情報」へのアクセスを守る非常にやりがいのある仕事です。しかし、現実的な年収を確保し、長く働き続けるためには、「いかにして正規の公務員ポストに就くか」という視点を最初から持つことが重要です。
資格取得をゴールにするのではなく、就職戦略とセットで考えることが、あなたが司書として「食べていく」ための第一歩となります。まずは一歩、行動を開始しましょう。

正規の公務員として雇われ、図書館で働きながら司書資格を取得するのが一番良いルートですね!
最後までお読み下さりありがとうございました。





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