現代社会では、インターネットの普及により、私たちは検索エンジンを通じて簡単に情報を得ることができるようになりました。
しかし、誰もが同じようにデジタル環境にアクセスできるわけではありません。
特に高齢者を中心に、インターネットの利用に不慣れな方々も多く存在しています。

最近ではさらにAI技術が進化して大変便利になりましたが、置き去りにされる人も多いのが現代です。
このような「情報格差(デジタルデバイド)」がある今、図書館員が提供するレファレンスサービスの重要性が高まっています。
本記事では、図書館司書資格の科目「情報サービス論」の中心となるレファレンスサービスの流れや、図書館員に求められる配慮・姿勢について、やさしい言葉で丁寧に解説します。
※ここで紹介している図書館概論はあくまでも科目の中の一つに過ぎません。
情報サービス論とは?
利用者と情報をつなぐ図書館員の専門的支援
「情報サービス論」は、図書館における利用者支援の基礎を学ぶ科目です。
特に、図書館員が行うレファレンスサービスに焦点を当て、情報ニーズにどう応えるか、そのプロセスや考え方を学びます。
図書館は単なる本の貸出場所ではなく、地域の情報センターとして、多様な情報を必要とする人々にとっての「知の案内人」としての役割を担っています。

レファレンスサービス?ってなんなの??

利用者の欲しい情報を理解して提供するサービスのことをレファレンスサービスと言います。
図書館員が行うレファレンスサービスとは?
レファレンスサービスとは、利用者の質問に応じて、必要な情報を調べて提供する図書館のサービスのことです。
以下では、その基本的な流れと、各プロセスでの注意点を順に解説します。
レファレンスサービスの6つのステップ
レファレンスサービスはカウンターサービスが主ですが、図書を本棚に戻す作業中でも声を掛けられることもあります。
① レファレンス質問の受付
すべては、利用者の「知りたい」という思いから始まります。
図書館のカウンターやフロアで、図書館員が質問を受け付けるところからレファレンスサービスが始まります。
質問の内容は、「今日の天気は?(即答可能)」のようなものから、「江戸時代の女性の暮らしについて知りたい」といった複雑で調査が必要な内容までさまざまです。
ポイント
- 利用者は不安や遠慮を抱えていることがある
- 図書館員は、声をかけやすい雰囲気づくりを心がける必要がある

話しやすい人なら話しかけたいって思うけど、忙しそうだったら話しかけるのも遠慮しちゃうかも…

話しかけられやすい雰囲気をつくることも必要ですし、利用者が話したことで本当は何を知りたいのかを明確にすることも大事なことです。
② レファレンスインタビュー(質問内容の明確化)
質問があいまいな場合は、「利用者との対話(レファレンスインタビュー)」を通して、何を求めているのかを明確にしていきます。
ありがちな例
- 利用者自身も、正確に質問内容を説明できていない
- プライベートな事情に関わる質問のため、話しづらい部分がある
このような場合、丁寧に質問を重ねることで、利用者のニーズを引き出す工夫が必要です。

あのーあれあれ、あれが知りたいんです。昔の食事の食べ物っていうか…

昔はどれくらい前ですか?徳川家康とか将軍ですか?庶民でしょうか?
開質問と閉質問を使って利用者の本当に知りたいことを探し出します。
③ 質問内容の分析
明らかになった質問は、次に「主題(何について)」と「探索事項(どんな情報を知りたいか)」の2つに分解して整理します。
例
- 主題:江戸時代の食事
- 探索事項:庶民の食事の内容
この分析によって、どの資料や情報源を使えばよいかが見えてきます。

江戸時代の庶民の食事の内容の例さえわかればいいのですが…

江戸時代の庶民の食事内容ですね。
④ 探索方針・ツールの決定
整理した内容をもとに、探索の方針(何から調べるか、どんな順番で)を立てます。
そして、図書館員が知っておくべきツールや資料群から、最適なものを選びます。
よく使われる探索ツール
- 国立国会図書館のデータベース
- 事典や年鑑
- 新聞記事や学術論文
- レファレンス共同データベース等
図書館員は日々、情報源についての知識を更新しておく必要があります。

383(食民俗)、210.5(江戸時代)、596(料理)の書架で江戸時代の庶民の食生活について書かれた本を探して、江戸時代に出版された料理本についての本を探します。
⑤ 探索の実行
計画に沿って、実際に情報を探します。もし得られた情報が利用者の期待と違う場合は、キーワードやツールを変えて再調査することもあります。
◆ 柔軟な対応が大切
- 探索方針は状況によって修正可能
- ユーザーの納得感を第一に

江戸時代の庶民の食文化を書いたこんな本もありますよ。

あら、こんな本もあったんですね。江戸料理読本みたいな本を探していたんです。

探していた情報と違ったらまたおっしゃってください。
⑥ 回答の提供と評価の確認
調べた情報をわかりやすく説明し、利用者が満足したかどうかを確認します。
これにより、レファレンスサービスは完結します。
もし回答が見つからなかった場合も、その理由を丁寧に説明したり、他の専門機関を紹介する「レフェラルサービス」を行ったりします。
回答時の注意点
- 多くの図書館では「参考事務規定」に従い、医療・法律などの助言は禁止
- 図書館員は「情報提供」までが役割であり、「判断」は利用者に委ねる

あとは、学校の宿題の答えをそのまま教えてしまう行為もNGとなります。
図書館員に求められる姿勢とは?
図書館員の役割は、単に情報を調べて渡すことだけではありません。
利用者が安心して質問できるような信頼関係を築き、質の高いサービスを提供するための姿勢が求められます。
◆ 理想の図書館サービスとは?
- だれでも気軽に質問できる雰囲気
- 丁寧なヒアリングと的確な情報提供
- 情報格差を埋める支援
図書館は「知の拠点」として、すべての人の学びを支える存在です。
利用者に寄り添ったレファレンスサービスを行うことが、図書館員としての大きな使命と言えるでしょう。
まとめ:図書館司書を目指すあなたへ
「情報サービス論」は、司書資格の中でも実践的な知識が身につく重要科目です。
利用者のニーズを正確に理解し、情報源を活用して適切に回答する力は、どの図書館でも求められるスキルです。
今回紹介したような流れや姿勢を意識しながら学ぶことで、利用者に信頼される図書館員としての一歩を踏み出すことができるでしょう。
最後までお読み下さりありがとうございました。
ブログ村に参加しています!更新の励みになるので、もしよかったら、ポチッと押していって下さい。





コメント