世界第2位の経済大国は、中国です。中国との力の差はどれくらいあるのでしょうか?
この記事では、国立図書館を、アジアを代表する2つの国立図書館を、規模・歴史・利用のしやすさ・デジタル化など多角的な視点で比較します。
そもそも「国立図書館」とは?
国立図書館とは、国が設立・運営し、その国のあらゆる出版物を収集・保存する図書館のことです。
一般的に「納本制度」という仕組みを持っており、国内で出版されたすべての本・雑誌・新聞を一定部数、無償で納入することが出版社に義務づけられています。

つまり、どんなマイナーな本でも、国立図書館には必ずある!

という理想をもった図書館が「国立図書館」ね!
中国国家図書館は歴史の重みが違う!

中国国家図書館の前身は1909年(清朝末期)に誕生した「京師図書館」。
100年以上の歴史を持ち、2009年に創立100周年を迎えました。激動の近代史を生き抜き、中華人民共和国成立後に「北京図書館」を経て、1998年に現在の国家図書館へと改称されました。
一方、国立国会図書館は1948年に開館し、初代館長は「真理がわれらを自由にする」という理念を掲げた金森徳次郎でした。アメリカの米国議会図書館をモデルとして誕生した、議会図書館と国立図書館の機能を兼ね備えたユニークな存在です。
歴史の長さでは中国側が圧倒しますが、設立の哲学の明快さでは日本もひけをとりません。
規模の比較――蔵書・施設・職員
蔵書数
中国国家図書館の2009年末時点の蔵書総数は約2,778万点です。
外国語資料の言語種類は115言語にのぼり、甲骨文字・敦煌遺書・永楽大典といった国宝級の資料も所蔵しています。
国立国会図書館の総資料点数は4,418万点に上り、うち図書だけで約1,135万冊(2018年度)となっています。資料の種類は図書だけでなく、雑誌・新聞・地図・音楽CDなど多岐にわたります。
総点数では日本のNDLが上回りますが、「図書の絶対数」「施設の壮大さ」という点では中国も引けをとりません。

中国国家図書館のデータを取ったのが2009年なので現在はもっと増えているはずです。
施設面積
中国国家図書館の建物延べ面積は約25万㎡で、世界の国立図書館で第3位の大きさです。本館(一期館・二期館)と古籍館の計3棟から成ります。
国立国会図書館は東京本館だけで延べ床面積14.8万㎡となっています。これに京都の関西館、上野の国際子ども図書館を加えると、こちらも国際的に見て大規模な施設です。

さすが中国!図書館も広大ね!
職員数
中国国家図書館の職員数は2009年末時点で1,365名です。
国立国会図書館の職員定員は895名(2026年4月現在)です。
中国側が約1.5倍の規模の組織を持っています。
「誰のための図書館か」――設立思想の根本的な違い
中国と日本の国立図書館では設立思想が最も大きな違いです。
中国国家図書館は文化部(文化省相当)が所管する機関であり、「国の総書庫」「国家書誌センター」「国家古籍保護センター」として、国民全体のための知の保存・提供を第一に掲げています。
対する国立国会図書館は立法府である国会に属する国の機関であり、国会の立法行為を補佐することを第一の目的とする「議会図書館」です。同時に国立図書館の機能も兼ね、行政・司法・国民一般に対するサービスも行っています。
三権をまたぐ支部図書館制度は世界の国立図書館の中でもきわめて珍しく、国立国会図書館のもつ大きな特色のひとつです。

「図書館が三権をまたぐ」というのは、法学的に見ても相当ユニークな存在なんです。
来館のしやすさ――開館日・利用資格の違い
中国国家図書館は年365日開館しており、1日あたりの平均利用者数は延べ約1万2,000人です。利用資格は満16歳以上で、利用者カードの種類に応じて館内閲覧や貸出などのサービスが利用できます。
一方、国立国会図書館の東京本館は原則としてほとんどの資料を利用者が直接触れられない書庫に配架する閉架式をとっており、利用者はシステムで申し込んで書庫から出納してもらう形式です。満18歳以上が対象で、館外への貸出は原則行っていません。

「気軽に行ける市民の図書館」という側面は、中国国家図書館のほうが強いですね。
デジタル化の現状
中国国家図書館は2009年末時点でデータ総容量327.8TBに達しており、電子図書約152万冊、電子ジャーナル約4万4,000タイトルを整備しています。
国立国会図書館デジタルコレクションは2026年5月時点で678万点以上の資料を収録しています。2024年4月には送信対象資料が約205万点となり、図書館向け・個人向けのデジタル送信サービスで自宅からも閲覧できるようになっています。
デジタルの「点数」と「自宅から読める範囲」という点では、2009年時点のデータでは日本の国立国会図書館が一歩先を行っている印象です。
まとめ――2館の個性
| 観点 | 中国国家図書館 | 国立国会図書館 |
|---|---|---|
| 設立の精神 | 国民のための知の殿堂 | 国会補佐+国立図書館 |
| 施設規模 | 世界第3位(25万㎡) | 約14.8万㎡(東京本館) |
| 開館日 | 年365日 | 月〜土(祝除く) |
| 利用資格 | 16歳以上 | 18歳以上 |
| 館外貸出 | あり | 原則なし |
| 特色 | 古籍保護・全国図書館指導 | 三権にまたがる議会図書館 |
2つの国立図書館は、国の規模や文化の違いを反映しながら、それぞれ異なる使命のもとで発展してきました。どちらが「優れている」という話ではなく、国の成り立ちや価値観がそのまま図書館の形に現れているのが面白いところです。



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