密室ミステリーが好きな方も、普段あまりミステリーを読まない方も、一度は手に取ってほしい一冊があります。
夕木春央の『方舟』は、山奥の地下施設に閉じ込められた9人が、極限状況のなかで「誰かを犠牲にしなければ全員が死ぬ」という選択を迫られる物語。
単なる推理小説にとどまらず、人間の本質や倫理、そして感情の揺らぎを描き出す本作は、読後に深い余韻を残します。今回はこの話題作の魅力を、ネタバレなしでご紹介します。

ミステリー小説は普段読まないという方も衝撃に心揺さぶられる一冊です。
『方舟』はどんな小説?簡単なあらすじと基本情報
著者情報:夕木春央(ゆうき・はるお)
1991年生まれ。『絞首商会』でデビュー。若手ながらミステリー界で注目を集める実力派です。
ミステリーはあらすじを入れてから読むと状況理解が出来てさらに面白くなります。
方舟にも地下施設の施設内地図が書かれていてしっかりとどんな空間に登場人物が閉じ込められるのかを想像して読み込みましょう!
地下施設に閉じ込められた9人のサバイバルミステリー
『方舟』は、夕木春央によるミステリー小説で、2022年に発表されるやいなや大きな話題を呼びました。ジャンルは「閉鎖空間ミステリー」。舞台は山奥にある、謎の地下建築です。
主人公・柊一(しゅういち)は、大学時代の友人と従兄とともに地下建築を訪れます。偶然出会った三人家族とその場所で夜を過ごすことになった彼らですが、翌朝、突然の地震が発生。出口は岩で塞がれ、地下水が建物内に流れ込むという非常事態が発生します。
やがて、極限状態のなかで「誰か一人を犠牲にすれば助かる」という選択を迫られ、殺人事件が起こる——という緊迫したストーリーです。

極限状態の中でも冷静を保って思考していく登場人物もおり、わかりやすく状況を説明してくれます。
話題沸騰の理由|『週刊文春ミステリーベスト10』&『MRC大賞2022』W受賞
『週刊文春ミステリーベスト10』&『MRC大賞2022』W受賞!この二つの賞はどのような賞なのでしょうか?
ミステリー界で高評価を獲得した話題作
『方舟』は以下の2つの権威ある賞を受賞しています。
- 週刊文春ミステリーベスト10(国内部門)1位(2022年)
- MRC大賞2022(Mystery Readers Club)1位
週刊文春ミステリーベスト10:日本推理作家協会の会員、書評家、雑誌記者、書店員が投票に加わっている。全国のミステリー通、書店員が選ぶまさにベストオブミステリー小説。
MRC大賞2022:Mephisto Readers Club(メフィストリーダーズクラブ)は2021年に講談社が開設した定額会員制の読書クラブであり、2022年よりMRC大賞2022を開催している。
この二冠は、「読み応え」「ラストの衝撃」「巧みな構成」がいかに読者に支持されたかを示しています。
選考理由としては「倫理と選択」というテーマ性の深さ、読後の感情の揺さぶり、そして意表を突く展開などが高く評価されました。
実際に読んでみて感じたこと|読後レビュー
私は普段あまりミステリー小説を読みません。
しかし『方舟』はあまりにも話題になっていたため、思い切って手に取ってみました。結果、想像を超える読書体験となりました。

ラストは想像を超えました。だからこの記事ではネタバレなしです。ラストは絶望の底に叩き落されるような衝撃です。
圧倒的な場面設定と閉塞感
まず方舟を読んで感じたのは、場面設定の作り込みが秀逸だと感じました。地下建築という特殊な場所に加え、「岩で閉じ込められる」という密室設定。文章表現にリアリティがあり、登場人物と一緒に閉じ込められたような感覚を味わいました。
さらに、開かれた空間ではない閉塞感が、密室に閉じ込められていつでられるか分からないという人間の心理描写からひしひしと伝わってきます。
文字の一つ一つに圧力があり、息苦しさすら感じる。
まるで、私自身がそこにいて、誰を犠牲にするか選ばなければならない立場に立たされたような錯覚を覚えました。

読んでる時も読後感も閉塞感とじめじめした地下施設の余韻が残りました。
衝撃のラストに心が打ちのめされる
なによりも、ラストが衝撃的過ぎる。
「恋愛とか愛とかそこまで出してなかったよね」と思いながら読み進めていたのに、最終盤でそれらの感情が一気に押し寄せてくる。なんでここで恋愛的展開が!と思ったりしましたが、それよりも違う思いの方が衝撃で頭の中は新事実で一杯一杯!!
人は、気持ちによって救われたり、命を落としたりするものなんだと、深く実感しました。
止まりません。事実が明らかになったらもう読む手が止まらない!
この小説のラストは読みだしたら止まりません。
この衝撃は身体を波打って感情まで届いて、次の文章を読む手が、目線が止められない。
次の文章が目に入ってきてしまう。
銃で撃たれたような痛みのない身体の中の波打ちに、読破後は圧倒される。
この感覚は、ミステリーというより、文学としての衝撃に近いと感じます。
ミステリー初心者でも読みやすい構成
ミステリーにありがちな複雑なトリックや伏線の張り巡らせは控えめで、読者にとって理解しやすい構成になっています。そのため、私のように普段あまりミステリーを読まない人間でも、スラスラと読み進められました。
心理描写と構成の巧みさ、そして人間の「選択」と「感情」に迫るテーマがとにかく秀逸で、「これは読んで良かった」と心から思える作品です。

読んでみて面白かったです!
『方舟』はこんな人におすすめ!
こんな読者に特に響くはず
- 衝撃的なラストが好きな人
- クローズドサークル(閉鎖空間)ミステリーが好きな人
- ミステリー初心者で読みやすい作品を探している人
- 人間ドラマと心理描写を重視したい人
- 1冊で深い満足感を得たい人
『方舟』は、エンターテインメントとしての完成度も非常に高いので、小説を読むこと自体が好きな人にはぜひ一度手に取ってほしい一冊です。
まとめ|一度は読んでおくべき「人間の選択」を描く傑作
私は、ミステリーというジャンルの枠を超えて、この作品を心から推したいです。

小説を読む人ならエンターテインメントとして『方舟』は一回読んでおくべきでしょう!
絶賛の一冊です。
読書後、誰かとこの感情を共有したくなる。そんな一冊。ぜひ、あなたも体験してください。
最後までお読みくださってありがとうございました。
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