図書館で働きたいけれど「司書資格がないから無理だ」と諦めかけていませんでしたか?
実は、資格がなくても図書館の現場で働き、キャリアを積んでいる人はたくさんいます。重要なのは「どこを狙うか」「現場で何を任されるか」「資格がなくても価値になるスキル」を理解し、それに合わせて準備することです。
本記事は、資格を持っていない・取得予定がない・働きながら将来資格取得を考えている人向けに書いています。具体的には以下を丁寧に解説します。
- 資格なしで働ける図書館の種類と現場の実情
- 求人の見分け方と、応募前に整えておくべき準備(棚卸しシートつき)
- 面接で差がつくポイント、現場で求められる実務スキル
- (以降)実際の応募書類テンプレ・面接Q&A・キャリアUP戦略(この記事の続きで詳述予定)
この記事では「ただの概論」で終わらせず、応募直前に使える具体例や行動チェックリストを多数盛り込みます。まずは次の章で、資格なしで働く現状を整理しましょう。
まず確認!図書館での「資格なし」の現状を知る
図書館で働く上で「司書資格」なしの現状はどのようになっているのでしょうか?
資格なしでも働ける図書館の種類
- 公共図書館(市・町・村の図書館)
- 募集形態:契約職員、臨時職員、パート・アルバイトが多い。
- 任される業務:貸出返却カウンター、書架整理、簡単なデータ入力、イベント準備、利用者対応など。自治体によっては長期契約の非正規職もある。
- 備考:フルタイムの専門職は司書資格や公務員試験が必要になる場合があるが、実務補助系の枠は資格不要のことが多い。
- 大学図書館
- 募集形態:学生アルバイト、契約員、事務補助。専門職(学術支援やレファレンス)は資格や学術経験を重視する傾向。
- 任される業務:書誌入力、複写・スキャン、貸出手続き、資料整理、学内向け簡易サポート等。専門支援は徐々に覚えていく形が多い。
- 民間系(企業図書室・出版社の資料室・ブックカフェ・NPO)
- 募集形態:契約社員・アルバイト・業務委託。資格は不要なケースが多い。
- 任される業務:蔵書管理、資料提供、社内レファレンス(企業内調査補助)、イベント企画、SNS運用など。図書とビジネスの接点があるため企画力が活きる場面が多い。
- 学校図書室・学童・地域の読み聞かせ拠点
- 募集形態:非常勤やボランティア、補助スタッフ。
- 任される業務:児童向けの整理、読み聞かせ補助、貸出管理。児童対応の経験があれば強みになる。
求められる仕事内容・業務範囲の違い
- 司書資格あり(専門職に期待されること)
- レファレンス(利用者の調査要求に応える専門的検索)
- コレクション開発(資料選定・購入方針)や分類・目録作成(MARC 等)
- 学術支援、資料保存・修復、長期的な図書館運営計画への関与
- 資格なしで期待される業務(実務補助)
- 貸出返却カウンター業務、利用者対応(基本的な案内)
- 書架整理・ラベル貼り、書籍の検品・修理補助
- イベント準備・広報補助(チラシ作成・SNS投稿の補助)
- データ入力(蔵書データの登録補助)や簡単なPC作業
ポイント:図書館ごとに線引きは曖昧です。小規模館では「資格なし=現場で多功能をこなす」ことが求められる一方、大規模館では専門職と補助職がはっきり分かれる傾向があります。資格がなくても「やる気+即戦力スキル(IT、接客、イベント運営など)」が評価されます。
給料・待遇・雇用形態の実例データ
- 主な雇用形態と確認すべきポイント
- 常勤(正規職員)/非常勤(契約職員)/嘱託/パート・アルバイト/臨時雇用
- 応募前に必ず見る:雇用期間、勤務時間、社会保険加入の有無、昇給・賞与の有無、休日・残業の実態
- 地域差・図書館規模による特徴(傾向)
- 都市部(大規模館) → 募集は多いが競争率も高く、業務が細分化されている。給与水準は地域の相場に準ずる。
- 地方(小〜中規模館) → 人手不足で採用されやすい反面、担当範囲が広く「何でも屋」的な業務が増えることがある。待遇は自治体予算に依存。
- 民間施設 → 企画力や広報力が評価されやすく、非正規でも裁量が大きい場合がある。
- 応募前のチェックリスト(必ず確認)
- 募集要項の「必須要件/歓迎要件」を確認:司書資格が必須か?歓迎か?
- 雇用形態(有期契約か無期か)と更新頻度
- 時給・月給と残業の取り扱い、社会保険・有給の有無
- 勤務シフト(週何日・夜間勤務の有無)と通勤手段(駐車場・交通費)
求人を探す・応募する前に準備すべきこと
自分の強み・スキルの棚卸し
やるべきこと(簡易ワーク)
- 過去の職歴・経験を3列に分けて書く
- 「業務スキル」(接客、事務、イベント運営、IT)
- 「図書に関わる経験」(長年の読書、ブックレビュー、ボランティア)
- 「人間スキル」(丁寧さ、細かい作業、チームで働く力)
- それぞれを応募書類で使える短い表現にする(例)
- 接客経験:
「年間◯件の来店対応で、丁寧な案内とレジ対応を担当」→ 図書館では「利用者対応」「カウンター業務」で置き換え可能。 - イベント経験:
「地域イベントでチラシ作成〜当日運営までを担当」→ 図書館の読み聞かせや講座運営でアピール。 - ITスキル:
「Excelで表作成・集計、簡単なWeb更新経験あり」→ 蔵書管理や広報補助で即戦力。
- 接客経験:
職務経歴書/志望動機に使えるフレーズ例(コピーして使える形)
- 「利用者目線の丁寧な対応を心掛け、複雑な問い合わせにも落ち着いて対応できます。」
- 「ブックトークや読書会の企画・運営経験があり、利用者参加型イベントを実施してきました。」
- 「Excel/Wordの実務経験があり、データ入力やチラシ作成などの事務作業に抵抗がありません。」
未経験・資格なし歓迎の求人の見分け方
求人広告に隠れている表現、募集要項の求人見分け方ポイントを説明します。
求人で探すべきキーワード(見つけやすい表現)
- 「未経験者歓迎」
- 「研修あり」
- 「丁寧に指導します」
- 「図書館業務補助」
- 「週○日からOK」
- 「主婦(夫)歓迎」
- 「学生可」
必ずチェックすべき募集要項の部分
- 「必須資格」欄:ここに「司書資格」と明記されているかどうか。書かれている場合は応募が難しいことが多い。
- 「業務内容」欄:業務が具体的か(貸出/返却/書架整理/行事補助など)→具体的な方がミスマッチを避けられる。
- 「待遇」欄:時間給・契約期間・保険・休暇等の明示があるか。あいまいな求人は要注意。
求人の「裏読み」— 採用担当に確認すると良い質問(電話で聞く時の例)
- 「未経験でも応募可能でしょうか?配属先でどのような研修があるか教えていただけますか?」
- 「普段の業務で最も比重が高い作業は何ですか(カウンター業務/書架整理/広報など)?」
- 「勤務時間の融通は利きますか?(学業や家庭との両立を考慮してほしい場合)」
地域差を把握する(東京都 vs 徳島県)
都市部(例:東京都)
- 長所:求人数が多く、専門的な仕事(デジタル化担当、広報担当など)に就けるチャンスがある。アルバイトや契約職も多い。
- 短所:応募者が多く、競争率が高い。生活コストが上がる点も要注意。
地方(例:徳島県)
- 長所:採用のチャンスが比較的高く、仕事の幅が広いため早く経験が積める。地域コミュニティに密着したやりがいがある。
- 短所:給与・手当が自治体予算に左右されやすい。キャリアの幅が都市部より限定されることがある。
判断基準(勤務地選びの優先順位の立て方)
- 「経験を短期間で積みたい」→ 地方の小規模館(業務幅が広い)も選択肢
- 「専門性を磨きたい/待遇を重視」→ 都市部の大規模館や民間の専門施設を狙う
- 「通勤時間・家庭との両立を重視」→ 地域密着のパートや短時間勤務を探す
必要なスキルを磨く/資格以外で武器になるもの
図書館ボランティア・図書館見学・eラーニング講座なども資格以外で武器になる体験です。
現場ですぐに役立つ“武器”リスト
- 接客力・コミュニケーション:カウンター対応での落ち着いた言葉遣い、利用者の要望を聴く力。
- 基本的なPCスキル:Word・Excel(表作成・簡単集計)、メール操作、基本的なファイル管理。
- 蔵書管理に関する基礎知識:書架整理ルール、貸出返却の流れ、簡単なバーコード操作やラベル貼り。
- イベント運営力:企画書作成、当日運営、ポスターやSNS用の短い文章作成能力。
- 児童対応スキル(児童向けを希望する場合):読み聞かせ経験、子どもとの距離感が取れる柔らかさ。
- 広報/SNS運用:簡単な投稿作成、画像編集の基礎(スマホアプリでOK)。

読み聞かせ経験など接客の柔らかさなども武器になります。
実践的な学び方(短期で効果が出る順)
- 図書館でのボランティア参加:最も実践的で現場の空気が分かる。短期でも経験は履歴書で効く。
- 図書館見学/職員へのヒアリング:見学時に積極的に質問して、担当業務や忙しさの実態を把握。
- 短期講座・eラーニング:PC講座、接客マナー、イベント企画入門など(地域の生涯学習センターやオンライン講座を活用)。
- ミニ・ポートフォリオ作成:自作のブックレビュー、イベント企画書(1ページ)、SNS投稿案などを用意して見せられるようにする。

司書資格以外にも短期で図書館で働くことにプラスにできる体験もあります。
すぐに作れる“採用アピール”例(ポートフォリオ)
- ブックレビュー5本(各200〜400字)→「利用者に本を勧める力」を示す。
- ミニ企画書(読み聞かせ会 or ブックトーク)→ 目的・対象年齢・当日の流れ・必要物品・想定参加者数を1枚にまとめる。
- SNS投稿案(画像+本文)×3 → 実際に投稿できるレベルで作ると説得力が増す。
ブックレビュー見本:『三びきのやぎのがらがらどん』

基本情報
- タイトル:三びきのやぎのがらがらどん
- 原作:ノルウェー民話
- 絵:マーシャ・ブラウン
- 訳:瀬田貞二
- 出版社:福音館書店
あらすじ
小さな・中くらい・大きな3匹のやぎが、草を食べるため橋を渡ろうとします。橋の下には怖いトロルが住んでいて通せんぼ。小さいやぎと中くらいやぎは「次にもっと大きいやぎが来るよ」と言って切り抜け、最後に大きいやぎが勇敢にトロルを倒して橋を渡ります。
感想
迫力ある絵と緊張感ある展開に、子どもはドキドキしながら聞き入ります。瀬田貞二さんの美しい訳はリズムがよく、声に出して読むと心地よい響きがあります。三匹のやぎのキャラクターが対比され、勇気や知恵で困難を乗り越えるストーリーは教育的にも価値があります。
評価
| 項目 | ★ |
|---|---|
| ストーリー | ★★★★★ |
| 読み聞かせやすさ | ★★★★☆ |
| 絵の迫力 | ★★★★★ |
おすすめポイント
- 読み聞かせで盛り上がるスリルある昔話
- 勇気・知恵をテーマにした作品
- 絵の力強さを楽しみたい方に最適
※見本です

ブックレビュー見本です。もっとうまく作る方はすごい上手いです!!
応募書類・面接で差をつける方法
履歴書や職務経歴書で有利になるポイントはどのようなものでしょうか?
履歴書・職務経歴書に書くべき内容と書き方の具体例
- 履歴書では人柄を見せる
→「本が好き」だけで終わらず、どんなジャンルが好きか、どんな経験で図書館に親しんできたかを書きます。 - 職務経歴書ではスキルを見せる
→接客経験(スーパー、カフェなど)、事務処理経験(PC操作、データ入力)、イベント運営経験などを具体的に列挙。
例:職務経歴書の一文
書店で3年間勤務し、在庫管理・POP作成・接客を担当。児童書コーナーの企画展示を考案し、売上120%達成。

売り上げ120%達成まで書かなくてもいいかもしれないけれど、担当したことがある業務は職務経歴書に欠かさずに書きましょう!
志望動機の書き方
志望動機には、なぜ図書館なのか、なぜ資格なしで今なのか、どのように貢献できるかを書きましょう!
- 「なぜ図書館か」 → 地域の学びを支える仕事への共感
- 「なぜ資格なしで今か」 → まずは現場で経験を積んで成長したい意欲
- 「どう貢献できるか」 → 接客スキル、整理整頓能力、イベント企画力を活かせる点を具体的に
例:志望動機
地域の子どもたちが本と出会う場を支えたいと考え応募しました。前職では接客・事務業務を経験し、円滑なチーム運営に貢献してきました。まずは現場で経験を積み、将来的には司書資格を取得し、イベント企画やレファレンスサービスにも挑戦したいと考えています。

将来的に司書資格を取るかどうかは置いといてもこれまでやってきたこととこれからやりたいことをきちんと整理して述べると伝わりやすいわね。
面接でよく聞かれる質問と模範回答例
面接でよく聞かれる質問と模範解答例です。
- 「なぜ図書館で働きたいのですか?」
→ 上記志望動機をベースに回答 - 「忙しい時にどう対応しますか?」
→ 経験を交え「冷静に優先順位をつけ、声かけして協力体制を作る」と回答 - 「利用者に理不尽に怒られたら?」
→ 「感情的にならず、まず話を聞き、必要なら上司に報告します」

奇をてらわず無難に答えられた方が落ち着いた印象を与えますね。
面接・見学時に確認すべき職場環境
可能なら職場見学をすると努めたいという本気度が相手にも伝わるのでなるべくしましょう。また、待遇、残業、業務分担などをしっかりとリサーチすることで後の面接にも備えることが出来ます。
- 勤務時間と残業の有無
- 有給休暇の取りやすさ
- 正職員への登用制度の有無
- どのくらいの人数で現場を回しているか
→ これらを事前に確認することで、ミスマッチを防ぎます。

気になることは遠慮なく聞きましょう。聞いてなかったとミスマッチが起こると勤めだしてから揉める原因となります。
実際に働く仕事内容とキャリアのリアル
やりがいと苦労ポイント
- やりがい:本を通じて人と人をつなぐ、子どもの成長を見守れる
- 苦労:肉体労働(本の返却・棚差し替え)/クレーム対応
→ 現実的な面も伝えることで読者の覚悟が決まる
- 20代でアルバイト→通信制で司書資格取得→正職員へ
- 子育て後にパート採用→資格取得→非常勤司書として継続勤務
- 図書館イベントや勉強会に参加
- 司書講習やMOOCで学習
司書資格取得を見据えるステップアップ戦略
司書資格取得を見据えてステップアップ戦略を作ることもできます。
通信制大学/通信講座で司書資格を取得する方法・コスト・期間
- 通信制大学:必要単位を取得すれば最短1年で資格取得
- コスト:10〜30万円程度(大学により差あり)
- メリット:働きながら取得可能
自治体制度・助成金・学費補助制度の活用法
- 地域によっては資格取得費用の補助制度あり
- 勤務先による学費援助制度も確認しておく

司書資格は職業訓練給付金の対象だから申請してから学び始めた方がいいですよ!
働きながら学ぶ人のスケジュール例とモチベーション維持のコツ
- スケジュール例:週5勤務+週末にレポート作成
- コツ:小さな単位で学習計画、同じ目標を持つ仲間と情報交換

働きながら学ぶコツは学習する時間を決めて、時間になったら辛くても学習を始めること!
資格取得後に開ける新しい道
- 司書資格を持つことでレファレンス担当や専門資料管理にも挑戦可能
- 図書館の広報・イベント企画など「発信する仕事」も担当しやすくなる
まとめ:資格なしでも図書館で働く道はある!
資格がなくても、図書館で働くチャンスはたくさんあります。
大切なのは、3つだけ!!
- 自分のスキルや経験を棚卸しすること
- 未経験歓迎の求人を見極めること
- 将来を見据えてスキルアップ・資格取得の道を考えること
図書館の仕事は、地道ですがとてもやりがいのある仕事です。利用者に「ありがとう」と言われたときの喜びや本に囲まれて仕事をするは格別。まずは一歩踏み出して、現場を知るところから始めましょう。
行動しよう:今日からできる3ステップ
- 求人サイトをチェック
→ ハローワーク、Indeed、自治体HP、図書館協会の求人ページを見てみましょう。 - 履歴書・職務経歴書を整える
→ 接客・事務・企画など、自分の強みをアピールできる形にブラッシュアップ。 - 図書館へ足を運ぶ
→ 実際に見学して雰囲気を感じておくと、志望動機が具体的になります。
📌 おすすめ求人サイト
最後までお読みくださりありがとうございました!





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