まず最初に、この記事は何かの解決を促すものではありません。
また、誰かを批判したり、中傷したりするための記事ではありません。
「アン・シルバース著:女性から虐待されている男性へ」を読みました。
感想を書こうと思います。
「虐待されているのは女性だけ」「男なんだから強くあれ」──そんな常識に、息が詰まりそうな思いをしている男性はいませんか?
今回ご紹介するのは、アメリカのカウンセラー アン・シルバース(Anne Silvers)による一冊『女性からの虐待(原題:Abuse OF Men BY Women)』です。
本書は、パートナーシップの中で「苦しい」「傷ついている」と感じながらも、それが“虐待”であると自覚できていない男性たちに向けて書かれています。

虐待を受けているのは女性の割合の方が多いんでしょう?

統計方法によっても誤差はありますが、2024年内閣府調査によると女性の方が多いですよね。
しかし、女性の方が多いと一概に決めつけてしまうと男性の7.2%は軽視されてしまいますから、男性が虐待を受ける被害者になることもあるのだと意識しておくことも重要だと思います。
繰り返しになりますが、この記事は何かの解決を促すものではありません。
また、誰かを批判したり、中傷したりするための記事ではありません。
◆アン・シルバースとは?
アン・シルバースは長年にわたり、関係性の中で苦しむ人々の心に寄り添ってきた心理カウンセラーです。
特に「男性の心のケア」に注目し、社会が見落としてきた“女性から男性への虐待”というセンシティブなテーマを、実例と心理学の知見をもとにまとめたのが本書です。
1. カウンセラー・コーチとしての経歴
- ワシントン州在住の認定カウンセラー(Licensed Mental Health Counselor)であり、カップル・個人双方に向けた“関係改善コーチ”として活動しています 。
- 心理学的・学術的なバックグラウンドを持ち、30年以上にわたり、男女やカップルが関係性の中で抱える問題やコミュニケーション課題に取り組んできました 。
本書の中では「女性から虐待をされている男性」のカウンセリングをしていると知人に話すと「えっ?」と驚かれることが非常に多かったそうです。

男性から虐待を受けている女性のカウンセリングは認知されているのに対して、女性から虐待を受けている男性へのカウンセリングが普及していないことを本書でも述べています。
2. 個人的経験と専門性の融合
- 自らも「パートナーからの虐待=ドメスティックバイオレンス」を経験したことがあり、その体験をもとにクライアント対応に活かしてきたと語っています 。
- 広く「パートナー虐待」に関する臨床研究・実務に携わりながら、“男性への虐待”にも積極的に光を当ててきました 。
3. 執筆・出版の実績
- 主著のひとつ『Abuse OF Men BY Women: It Happens, It Hurts, and It’s Time to Get Real About It』(日本語版:『女性から虐待されている男性へ―女性はなぜ傷つけ、男性はなぜ留まってしまうのか』)。
- 米国初版:2014年、改訂版:2023年。出版社は Silvers Publishing, LLC。
- 日本語版は2025年1月20日に明石書店から刊行されました。
- その他にも、セルフヘルプ形式の書籍や教材を複数出版(関係改善、トラウマ、感情調整など)しており、Goodreadsにも複数著作が登録されています。
◆「力の強さ」が虐待を決めるわけではない
世の中には「男性のほうが力が強い」「だから女性が被害者になる」という見方が今も根強くあります。
実際に先に述べた統計でも女性の方が高い数値を示しました。
しかし、虐待とは力だけの問題ではありません。言葉・態度・支配・無視・精神的な脅しなど、目に見えない暴力が確実に存在します。
本書では、「女性からの虐待」に関する実例を多数取り上げながら、それらを体系的に分類・分析しています。
例えばこんな例が挙げられています。
- 無視し続ける、口をきかない
- 家族や友人から引き離す
- 経済的に依存させておいて見下す
- 怒鳴る、責める、過去を持ち出して非難する
など…
「これ、もしかして自分もあてはまるかも」と感じる男性もいらっしゃるかも知れません。
「つらい」の正体が見えてくる本
この本は、「読んでいてすごく救われる」とか「すぐに問題が解決する」本ではない、ということです。
けれど、“今の関係がつらい理由”を言葉にしてくれる本です。
つらい状況の対応としては、今自分が置かれている現状を把握するところから始まります。
- 男性だから虐待を受けることはない
- 虐待を受けている自分が弱く見えないように
- 男なんだから女性から虐待を受けているとは言えない
- 虐待を受けていることすら意識せず苦しんでいる
社会では男性のイメージとして、男性は強い、打たれても耐えなければならない、女性にやられる弱い男であってはならないというイメージをもっており、配偶者、パートナーから苦しい扱いを受けていることが虐待だと無自覚である場合が多いように見受けられます。
「アン・シルバース著:女性から虐待されている男性へ」には女性から男性への虐待には様々な種類があって暴力的なものだけではないことが書かれており、身体的、精神的、経済的、性的な虐待へと体系化しており、自分の苦しみがどれにあてはまるのかを知ることが出来るでしょう。
気持ちを「体系化」していくことで、「ああ、自分はここで傷ついていたんだ」と、初めて気づける読者も多いと思います。
虐待とは、必ずしも殴られることではありません。
心を削る、支配する、相手に「自分の価値がない」と思わせる…それも立派な「暴力」です。

夫婦関係でもけんかした時はよく無視したりとかあるよね。

正当な理由があるにせよ、無視し続けて相手を支配しようと行き過ぎてしまうとされた方は悲しいよね。
夫婦関係でつらい男性へ
「もう限界かもしれない」「このままじゃ壊れてしまいそう」その苦しみ理由があるかもしれません。
「男だから」「自分が我慢すれば」と言い聞かせて、今日も日常をやり過ごしていませんか?

毎日日常生活をこなすことで精いっぱい。自分のことは2の次、3の次にしていませんか?

「女性から虐待されている男性へ」の中に自分の苦しんでいる悲しんでいる理由があるかもしれないわ。
夫婦関係やカップルの中で、「言葉の暴力」「無視」「責められる日々」「経済的な支配」「性的な拒絶や操作」などに苦しみながらも、それが“虐待”だとは気づいていない男性は少なくないでしょう。
けれど、あなたが感じている“つらさ”には、実はちゃんと理由がるかもしれません。
本書「女性から虐待されている男性へ」は、まさにその見えにくい苦しみを体系的に整理し、気付かせてくれる本です。
著者アン・シルバースは、長年カップルの問題に向き合ってきたプロのカウンセラーであり、自身も関係性の中で苦しんだ経験を持つ女性。
その彼女が、「女性から男性への暴力」「モラハラ」「精神的な支配」など、あまりにも語られてこなかったテーマを、ていねいに、誠実に取り上げています。
最後に──自分の現状を知る一歩目として
本書は、解決策を与えてくれる“マニュアル本”ではないです。
その「寂しさ」や言われようのない「苦しみ」「孤独」を開放できるような本でもない。
ですが、「このつらさには名前がある」と気づくことが出来る本だと思っています。
もしあなたが、パートナーとの関係の中で「苦しい」「でも自分が悪いのかも」と思っているなら。
それはあなたが弱いのではなく、「無意識に虐待されている」ことによって起こっている苦しみなのかもしれません。
そんなときこそ、そっと手に取ってほしい。
そんな一冊でした。
ブログ村に参加しています!
更新の励みになるので、もしよかったら、ポチッと押していって下さい。



コメント